ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
食酢づくり創業の地 蔵がヒント
愛知県半田市にあるミツカンミュージアムは、この地で200年以上前、酢の醸造を始めたミツカングループの博物館だ。高さ約2メートルの桶を再現した展示などを見ながら酢づくりの歴史や工程を学べる。隣接する本社ビルなどと一体の再整備で2015年にリニューアル、館名も改めた。
ロゴマークはこの時、館内案内表示や展示アドバイスとともにグラフィックデザイナーの佐藤卓さん(66)が手がけた。「簡単な愛称で呼んでもらえるほうがいい」と「MIM(ミム)」と略すことも佐藤さんのアイデアだった。
「MIMの文字をスケッチしていると、半田の蔵の屋根のイメージがMの字と重なった」という。江戸時代以来、半田運河周辺には切り妻屋根、黒板の醸造蔵が立ち並んだ。鉄筋コンクリート造りのミュージアムもこの姿を受け継いでいる。
マークの下のアルファベットをよく見ると「MUSEUM」の最後のUとMはくっついている。「MIZKAN」と文字列の長さをそろえ、バランスよく美しく見せるための細かい工夫だ。
◆ミツカンミュージアム 愛知県半田市中村町2の6(問い合わせは0569・24・5111)。午前9時半~午後5時(完全予約制)。木曜(祝日の場合は翌日)、年末年始休み。当面の間臨時休館。