ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
内側が外側に 外側が内側に
電話事業100周年を記念して1997年にオープンしたNTTインターコミュニケーション・センター〔ICC〕。先端技術を活用したアート作品の展示などを行っている。
ロゴマークはデザインや写真、アートと幅広く活躍する矢萩喜從郎さん(69)が担当した。「新しいコミュニケーションの在り方を追究する」との意図を込めた館名に、「内部と外部のコミュニケーションを考える使命を与えられたと感じた」と振り返る。
解釈と表現に苦心するうち、漫画雑誌に連載されていた黒鉄ヒロシさんのギャグマンガ「赤兵衛」を思いついた。つねづね「よくここまでシュールに」と感心していた中に、袋を裏返すように人体の内外が入れ替わる描写があった。「あれだ!」
「ICC」の文字をなぞると、内側がいつの間にか外側に、外側がまた内側になるロゴ。開館からの25年にコミュニケーションを取り巻く環境は様々な変化があったが、開館準備時に広報を担当し、現在は運営責任者の国枝学さん(58)は、「常に新しく感じる。一向に古くさくならない」と話した。
◆NTTインターコミュニケーション・センター〔ICC〕 東京都新宿区西新宿3の20の2 東京オペラシティタワー4階(問い合わせは0120・144199)。午前11時~午後6時。原則(月)休み。