ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
「ジャイアント」の存在感 空白で示す
建て替えに伴い、11月にオープンしたばかりの八戸市美術館。「出会いと学びのアートファーム」をコンセプトに、市民参加型の町の拠点を目指す。
シンボルマークをつくったグラフィックデザイナーの加藤賢策さんは、館の中心となる800平方メートルを超す大空間「ジャイアントルーム」に着想を得た。ガラス張りで展覧会準備の様子やアーティストの制作風景なども見ることができる。
その大きさをどう表すか。頭を悩ませた結果のデザインだが、より表現したかったのは黒い図形よりも、その上の空白だという。「土台」である館を舞台にした人々の活動の広がりをイメージした。魚眼レンズをのぞいたときのような「ゆがみ」でも大きさを表現している。
開館前のワークショップでは、マークがプリントされたTシャツに参加者の考える「八戸の未来」を描いた。副館長の高森大輔さんは「どっしりして見えるマークですが、上の空白に手を加えることもできる。大きな拠点でありながら活動に合わせて変化する館らしいデザインです」と話す。
◆八戸市美術館 青森県八戸市番町10の4(電話0178・45・8338)。[前]10時~[後]7時(入館は30分前まで)。[火]([祝]の場合は翌日)、年末年始休み。