ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
脱力系ギャグ 美術館を盛り上げる
サイが玉に乗って、サイタマ。おやじギャグに脱力しそうになるが、動き出しそうなポーズや目の下にシワのある表情など見飽きないデザインだ。
埼玉県立近代美術館のミュージアムショップは開館から15年後の1997年にできた。積極的に働きかけたのが、主任学芸員だった前山裕司さん(現新潟市美術館長)。「変なものいっぱい置いてお客さんのテンションを上げたかった」と前山さんは話す。館が運営に関わりやすいよう会員制の「友の会」が運営する、珍しい形態にした。
自ら商品選びもした前山さんは、ショップの袋やグッズ展開に使えるマークがあればと考えた。美術館のロゴマークはあったが、「キャラ的なものがいいよね、と」。
デザイナー・葛西薫さんとの打ち合わせでどちらが言い出したか、盛り上がったのが「サイとタマ」。「こういうのを見て、美術館は楽しいなと思ってくれればしめたものです」と葛西さん。サイが玉を見つめている別バージョンもある。「見ているうちに乗りたくなった、というストーリーです」
◆埼玉県立近代美術館ミュージアムショップ さいたま市浦和区常盤9の30の1(電話048・824・0111)。[前]10時~[後]5時半。[月]([祝]、県民の日は除く)、年末年始、メンテナンス日は休み。