ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
水晶・Yの字・湖面に映る逆さ富士
かつて水晶の産地として知られ、宝石の研磨加工が発展した山梨県。1975年に甲府市に開館した山梨宝石博物館は2007年に河口湖畔に移転、世界中の宝石原石やジュエリーを2千点以上展示している。
18年にホームページをリニューアル。web関連の仕事経験がある専務の奥山雄一郎さんが制作し、動画を駆使した見栄えがよいものになったが、シンボルマークまでは作れない。イメージに合う作品を手がけてくれそうなデザイナーを探していたところ、「余白の美しいシンプルなデザイン」が際立つ佐藤光さんの作品を発見した。
福島県在住で初めて山梨を訪れた佐藤さんは、水晶の六角形をデザインの核にした。湖畔から見る富士山も印象に残り、上下対称の形で湖面に映る逆さ富士を表現。山の形は山梨の頭文字「Y」でもある。「Yで逆さ富士ができると発見したときは『やったあ!』と思いましたね」
「山梨県民のアイデンティティーを伝えることを大切にした」という佐藤さん。奥山さんは「宝石を扱う場所にふさわしい、優雅な美しさと少し緊張感が感じられるロゴになりうれしい」と話す。
◆山梨宝石博物館 山梨県富士河口湖町船津6713(問い合わせは0555・73・3246)。午前9時~午後5時半(11月~2月は9時半~5時。入館は30分前まで)。(祝)を除く(水)休み。