ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
音楽・演劇・美術 三つの施設偏りなく
高さ100メートル、らせん形のシンボルタワーがそびえる複合文化施設。水戸市制100周年を記念して1990年に開館した。
ロゴを手がけたデザインコンサルタントの中西元男さんが目指したのは「ニュートラル(中立)だが個性的」なデザイン。音楽、演劇、美術の各部門の専用施設があり、どのジャンルにも偏らないようにしながら、今までにない施設を作ろうとする館の取り組みを際立たせたかったという。
英名「ART TOWER MITO」の「O」をいかした3色の丸は、「三つの施設を持つことが、ひと目見て伝わる」と副館長の大津良夫さんは話す。その下に並ぶのは各施設の名称だ。クラシック音楽に適したホール、九つの展示室とワークショップ室を持つギャラリー、俳優の表情まで見えやすく設計された劇場。それぞれの芸術監督のもと、専門のスタッフが年間100前後の企画を運営、専属楽団や劇団も設けている。
未来へ向けた芸術文化の創造を理念の一つに掲げる同館。中西さんは、ロゴについても「長期にわたって使っていけることが重要です」と話す。
◆水戸芸術館 水戸市五軒町1の6の8(問い合わせは029・227・8111)。午前9時半~午後6時。(月)((祝)の場合は(火))休み。