ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
展示室の名物 ブラッシュアップ
滑らかな曲線を描くらせん階段。北海道立近代美術館のシンボルマークは、常設展示室中央の白い階段がモチーフだ。
1977年の開館時からマークはあった。古くからの職員は「職員が手描きした図案をもとに制作され、館の刊行物に使われていた」と振り返る。
マークを正式なものにしようと96年にデザインを変更。依頼を受けたデザイナーの三善俊彦さん(55)は、線をより実物に近く整え、和英それぞれの表記で館名を加えた=写真は英語版。シルバーとグレーの色は、北海道の静かな冬をイメージしている。「美しいモノトーンの階調が見られる雪景色をうまく表現できた」と三善さん。
札幌市街地にありながら緑に囲まれた白亜の美術館。広々とした前庭では動く彫刻などが見られ、両翼を張り出した館内は、外光を採り入れた吹き抜け空間とらせん階段で変化のある鑑賞が楽しめる。「スタイリッシュに生まれ変わった」と職員が言うロゴマークのように、館も時代の流れを意識しながら、枠にとらわれない多彩な企画を行っている。
◆北海道立近代美術館 札幌市中央区北1条西17(問い合わせは011・644・6881)。午前9時半~午後5時(入館は30分前まで)。原則(月)、年末年始休み。21日まで臨時休館中。