ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
PでもSでもなくR その訳は
洗練されたマークは抽象的に見えるが、アルファベットの「R」がモチーフの一つ。優美な曲線がRの最後の画なのだ。デザインした山本あつひろさんは「右に向かってはらうのは、アルファベットの中でRだけ」と、特徴に注目してクローズアップした。
ところで何のRなのか? 小さく書かれた欧文の後半に「ルオー・ギャラリー」とある。パナソニック汐留美術館は世界でただ一つ、仏の画家ジョルジュ・ルオーの名前を冠する美術館。1997年からパナソニックが収集したコレクションが開館のきっかけになった。
もう一つのモチーフは海に近い所在地にちなんだ「波」。バランスをとり、柔らかい印象を意識してデザインした。
マークから生まれたキャラクターもある。「カモメが飛んでいるみたい」という多くの声から山本さんがイラストを起こし誕生したカモメの「ジョルジュくん」。ミュージアムショップの袋や年報の裏表紙などで控えめに活躍している。
◆パナソニック汐留美術館 東京都港区東新橋1の5の1の4階。午前10時~午後6時(入館は30分前まで)。原則(水)休み。問い合わせは050・5541・8600。