ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
タンチョウのしなやかさイメージ
タンチョウが飛び交う美しい姿を年間を通して見ることができる釧路市の阿寒湖。その近くに立つ釧路湿原美術館は、湿原をはじめ道東の自然を幻想的に描き続けた画家・佐々木榮松(1913~2012)の作品を展示している。
シンボルマークは佐々木が作品に残したサイン「榮sasaki」から「榮」の文字をとった。制作したグラフィックデザイナーの小山田淳さんは、榮の字が鶴の立ち姿に見えたという。鶴の全身を覆う羽毛の白で書いた字と、タンチョウの丹(赤の意味)からイメージした赤の字を重ねた。よく見ると白い文字の〝頭〟もほんのり赤色に染まっている。同館理事長の高野範子さんは「榮松の好きな朱色が使われた、シンプルでおしゃれなデザイン」と話す。
レンガ造りの館は、中央が高く両翼を広げた鶴のような外観。前庭に立つオブジェや看板などもタンチョウをイメージした赤、白、黒色で統一されている。大自然の中のタンチョウのように、シンボルマークもしなやかにはばたいていきそうだ。
◆釧路湿原美術館 北海道釧路市阿寒町上阿寒23の38(問い合わせは0154・66・1117)。3月までは午前10時~午後4時(入館は30分前まで)。無休。