ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
結んで開いて・・・浮かび上がる五角形
黒い四角形が五つ、手をつないで輪を作るように並ぶ。真ん中に浮かび上がる白い五角形。パズルのような、積み木のような。
ため池や梅林のある公園の中に立つ板橋区立美術館は1979年に東京都初の区立美術館として開館、2019年の大改装に合わせて、長く館と関わるデザイナーで造本作家の駒形克己さんがロゴを制作した。
小山のふもとに位置し、稜線に呼応するように片側が長く緩やかにのびる屋根が印象的な建築。正面から見たその形をトレースしたのが白い五角形だ。駒形さんは「絵本原画やファインアート、インスタレーション、狩野派などの展示を企画してきた館の多面的なイメージも重ねた」と話す。
切り取って黒い四角を立ち上げると箱になる展開図。館長代理の松岡希代子さんは逆に、「黒い四角がパタパタパタ……と、外側に開いていくイメージがある」と語る。企画展のポスターでは黒い四角の色を変えて使い、次回の「だれも知らないレオ・レオーニ展」では右上の正方形が青色に。展覧会のたびにロゴの変化も楽しみだ。
◆板橋区立美術館 東京都板橋区赤塚5の34の27(問い合わせは03・3979・3251)。午前9時半~午後5時(入館は30分前まで)。(月)休み。「だれも知らないレオ・レオーニ展」は24日から。