ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
広がる海がアイデンティティー
青い海と青い空を見に来てください――。そうささやかれた気になる。海と空の写真を背景に、白抜きで館名を入れた、シンプルかつ大胆なロゴだ。
横須賀美術館は神奈川県・三浦半島東端、県立観音崎公園内にある。背後を森に囲まれ、目の前には東京湾が広がる。表の芝生広場、屋上やレストランなど館内いたるところからその眺望を楽しめる。同館職員は「海も当館のアイデンティティー」と話す。
担当したグラフィックデザイナーの広村正彰さんは、「現場を訪れるたびに海の素晴らしさに感動していました。写真をマークにした美術館は世界中探してもそうそうないのでは?と思い、提案したんです」と語る。写真は広村さん自身が撮影したものだ。パンフレットなどに使うため、水平線のイメージを水色と青の2色にデザイン化した小型バージョンもある。
館内の案内に使われる人形のピクトグラム「よこすかくん」も広村さんのデザインだ。最近は、マスク着用や手洗い、検温を呼びかける「感染予防版」が登場。美術館ホームページからダウンロードできる。
◆横須賀美術館 神奈川県横須賀市鴨居4の1(問い合わせは046・845・1211)。午前10時~午後6時。(祝)を除く第1(月)休み。