ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
建築の意匠から着想を得て
1989年に開館した横浜美術館。19世紀半ばから現代までの国内外の作家や、横浜市にゆかりのある作家の絵画や立体作品を所蔵する。市民に開かれた美術館を目指して「みる」「つくる」「まなぶ」を基本理念に、展覧会やワークショップを行うほか、11万冊以上の蔵書をそろえる。丹下健三設計の同館は、意匠や建物の構造に丸や四角があしらわれ、特徴の一つとなっている。
ロゴマークには、館の理念と特徴的な建築のモチーフが落とし込まれている。デザインを手がけたのは、同市出身の浅葉克己さん。建築に繰り返し用いられている正方形を使い、横浜の「Y」の字を作った。三つの正方形は基本理念の3要素を表し、それぞれが連動して展開していくイメージを表現。和文と欧文それぞれの館名のロゴタイプも、角ばったフォルムを意識したという。普段ロゴにあまり色を使わないという浅葉さんだが、同館のロゴには赤・青・緑の3色を使用。それぞれ美術館の鑑賞機能、図書館機能、アトリエ機能を表した。「出身地の美術館のロゴをデザインできて、うれしかったですよ」と振り返る。
◆横浜市西区みなとみらい3の4の1(☎045・221・0300)、午前10時~午後6時(5月の金土は8時まで。入館は30分前まで)。(木)休み。2020年3月31日まで臨時休館。