「くもあい」~篠塚ようこさんの空の写真たち(シリーズ最終回)
朝日新聞の金曜夕刊で連載中の<PrintShot>は、朝日新聞紙面などで活躍する写真家の近作を紹介し、撮影の一瞬を記してもらう企画。4番目のシリーズは篠塚ようこさんの空の写真たちで、シリーズのタイトルは『くもあい』。そのコラムの最終回です。
朝日新聞の金曜夕刊に11月からスタートした新連載<PrintShot>。本紙でも活躍する写真家たちの近作を数点ずつ紹介し、撮影の一瞬を記してもらう。最初のシリーズは馬場磨貴さんの花々の写真で、全8回の予定。シリーズのタイトルは『 Attirance 』。フランス語で「魅了される」といった意味だ。3回目は白いバラの花びらの写真を。
白い薔薇の花びら 待つ
なんの約束も無いのですから、それははらはらと消えるのが常です。それでも花弁は何か一つ確信があるようで、形を留めないまま毅然と待っているようです。花弁が風に揺れる度、あなたとの記憶の位置が変わります。変わりながら身を置くのに一番良い場所を見つけ、そっとそこに留まっています。素知らぬ顔で。