酒井一圭さん
「中華そば紅蘭(こう・らん)」の中華そば 「ふるさとの思い出の味を食べたい。一緒に行く?」。5年ほど前にコンサートで山口県を訪れたとき、山口出身のマネジャー・山本さんがそう言って、連れて行ってくれました。
「中華そば紅蘭(こう・らん)」の中華そば 「ふるさとの思い出の味を食べたい。一緒に行く?」。5年ほど前にコンサートで山口県を訪れたとき、山口出身のマネジャー・山本さんがそう言って、連れて行ってくれました。
2、3年前に知人の紹介で訪ねてすっかり気に入ったんです。カウンター席が中心の店内は、いつも半分ぐらいが旅行客とか家族連れの外国人。店の人が英語で丁寧に日本酒の特徴を説明してくれるので、実に楽しそうに飲んでいる。いつも50種以上の日本酒がありますね。
サッカー好きの女性店主は竹を割ったようなサバサバした性格で、気を使わなくていい。先日、韓国の俳優チェ・ミンシクが来日したので、連れて行きました。うちが日本で配給した韓国映画「シュリ」でテロリスト役をやって、今や韓国の国民的俳優で、映画界の重鎮。顔を赤くしておいしそうに日本酒を口にしていました。店主がファンだったらしく、彼も実に愉快そうでした。
日本酒と和食のペアリングの店なので、食べ物も抜群です。40種類ほどのメニューがありますが、中でも「ミズノトリの肉じゃが」(1400円)と「サバの巻いた奴!」(1千円)が名物。肉じゃがはすり流したジャガイモに温泉卵が入っていて、甘辛く煮た牛肉がのっています。サバの方は焼いた文化干しと、シイタケなどを混ぜたおからをノリで包んだもの。どちらも日本酒との相性が抜群です。
めったに手に入らない酒も薦めてくれます。愉快に楽しい時間をすごせます。
(聞き手・阿部毅)
◆東京都渋谷区恵比寿1の30の9(電話03・5422・9967)。[後]5時~11時半(ラストオーダーは10時半)、[日][祝]は[後]1時~9時(同8時)。円形カウンター14席とテーブル(4席)。[月]休み。
リ・ボンウ 映画プロデューサー。多数の韓国映画の配給を手がける一方で、映画「月はどっちに出ている」「パッチギ!」「フラガール」などを製作。今年、映画「パラサイト 半地下の家族」を舞台化して話題を呼んだ。