読んでたのしい、当たってうれしい。

黒田大輔さん
平譯(ひらわけ)さんのえりも小豆

平譯(ひらわけ)さんのえりも小豆
平譯(ひらわけ)さんのえりも小豆
平譯(ひらわけ)さんのえりも小豆

 10年ほど前から、あんこを炊くようになりました。自分で甘さを加減できて豆の味がよく分かるので、おいしくてたくさん食べられるんです。

 土鍋で炊くとおいしいですよ。「ホワッ」と「ホクッ」を足して2で割ったような食感になります。完成後は完全に冷めるまで待つと、深みが出る気がします。

 基本、砂糖は目分量でレシピの半分ほどの量。たくさん炊いて、よくお裾分けしています。「舞台をやっていて疲れているだろうから、今回は甘めがいいかな」と、相手のことを想像しながら作るのも楽しい。あんこ作りが自分の楽しみになっています。

 スプーンでそのまま食べるだけで満足ですが、バターと一緒にパンにのせるのも好き。うちのあんこちゃんは繊細なので、主張が強すぎない普通のバターが合いますね。お裾分けした友人が教えてくれた、クラッカーにクリームチーズと一緒にのせて食べるのもおすすめです。

 ここの小豆さんは、皮の硬さがちょうどいい。農薬・化学肥料不使用(栽培期間中)なので安心してお裾分けできます。

 調べて知った先人の知恵と10年の経験で、今のあんこの味になりました。失敗することもありましたが、やってみると気付きがあって楽しい。日々、冒険ですね。

(聞き手・深山亜耶)

 ◆東京都渋谷区西原3の23の6の1階(問い合わせは03・5738・2719)。
 午前11時半~午後7時半。
 1kg1846円、200g410円。お茶の水店、オンラインショップでも購入可能。


 くろだ・だいすけ 俳優。1977年生まれ、千葉県出身。
 映画「恋人たち」で第30回高崎映画祭最優秀助演男優賞を受賞。映画、テレビ、舞台に出演多数。映画「南極料理人」「怪物」など。

(2023年10月12日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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