「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
人間社会を守るために、余命わずかな悪魔祓いが戦う―ー。かっこいいアイテムがいっぱい出てくる、この映画の世界観に中二病心をくすぐられます。リボルバー式の銃を愛用する主人公コンスタンティンは、少女を祓った時に世界の異変を察して、「ドラゴンの息」という火炎放射器とか、「ヨルダン川の聖水の入ったアンプル」というアイテムを協力者から入手するんです。新たな武器で戦うアクションシーンがまたかっこよくて。悪魔祓いになりたいと憧れている少年が途中で死んでしまうのですが、「ちゃんと天国に行けたんやな~」って分かるシーンで終わるのも良かったですね。
中学生の頃、ホラー映画好きな父と一緒にレンタルDVDで見ました。アトラクションに乗るような感覚でした。手放しでいられて、何周目でも「あ~楽しかったなあ」と思える映画です。
美しいキャラクターばかり登場するんです。キアヌ・リーブス、双子の姉妹(いずれもレイチェル・ワイズ)、ガブリエル(ティルダ・スウィントン)、サタン(ピーター・ストーメア)。大好きな4人組を今回の絵に描きました。
物語が佳境に入ると、コンスタンティンと双子の姉アンジェラは親密になっていき、キスシーンを期待させますが、そうはならない。恋人を守って最後にキスして終わりみたいな物語は、「恋愛のために守ったんやな」って感じがして好きじゃないんです。この映画はそれ的にも良かったな。見返りを求めずに弱者を助ける。そんなヒーローにほれぼれしました。
(聞き手・島貫柚子)
監督=フランシス・ローレンス
製作国=米 出演=キアヌ・リーブス、レイチェル・ワイズ、ティルダ・スウィントン ほか
たに・こなつ 1993年大阪府生まれ。旅する双子を描いた「sezono」シリーズなどをオンラインストアで販売する。インスタグラムは@tani_konatsu。
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