「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
かわいいが詰まった映画です。お互いの存在を知らずに別々に育った双子姉妹がサマーキャンプで偶然出会い、父母のよりを戻そうとするお話。初めて見たのが双子と同じ小学生の頃で、長期間親元から離れてみんなで集団生活をするサマーキャンプ自体が憧れでした。
双子は最初対立します。フェンシングで戦ったり、いたずらし合ったり。中でも2人がポーカー勝負するシーンがお気に入り。アニーが「挑戦者はもういない?」と尋ねると小銭袋を持ったハリーが「私が勝負するわ」と入ってくる。賭け金としてマニキュアとかブレスレットとか、その時の自分の財産を出すところがすごくかわいくてたまらないです。
実はこの映画で、耳にピアスを開けることにもすごい憧れを抱いたんです。耳タブを冷やして針をあぶって、耳の下に青リンゴを置いて上からぶすっと刺す。このシーンが格好良すぎて私も17歳の時に1個ずつ開けました。絶対に映画と同じ方法で開けるぞと思っていたのですが、やっぱり怖くなったので「ピアッサー」で開けました。
映画全体の色みも好きです。1990年代後期のアメリカ映画はちょっと濃い暖色系が多いんですよね。いい意味で粗いアナログ感があるというか。この映画に合っているなと思います。
お父さんお母さんは双子が大好きだし、執事や乳母、おじいちゃん……周りの大人もみんな双子の味方であるというのが、とてもほほ笑ましいですよね。双子と同じ年頃の子どもたちにぜひ見てほしいです。
(聞き手・中山幸穂)
監督=ナンシー・マイヤーズ
製作国=米国 出演=リンゼイ・ローハン、デニス・クエイド、ナターシャ・リチャードソンほか
東京在住。講談社モーニング・ツーで「リーマンミーツホスト」連載中のほか、書籍や教科書の装画・挿絵も手がける。
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講談社モーニング公式サイト『リーマンミーツホスト』
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