秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
旅の途中、メキシコで宿代の代わりに壁画を描いたことをきっかけに、国内外の学校や公共施設で壁画を描いています。海外へ描きに向かう飛行機の中で、この映画を初めて見て好きになり、帰りの便でもう一度見ました。
アメリカから来たジェシーと、フランスから来たセリーヌ。電車の中で出会った2人が途中下車をして朝まで歩きながら語りあいます。本当のカップルのアドリブのような会話がずっと続くんです。続編も含めとてもリアルで、普通の映画とはひと味違う。旅先での出会いにドキドキするところは共感しました。
カフェでセリーヌが「初めから彼と下車するつもりだった」と友達に電話をするフリをして告白するシーンで、ジェシーの一方的な一目ぼれではなく、お互いひかれていたことがわかります。その伝え方のセンスの良さにも感心しました。この場面をイラストで表現しています。
連絡先はあえて交換せず、半年後に同じ場所での再会を約束して別れます。この作品の中では再会できるか分からず、余韻が残ります。
2人が直感を信じて途中下車したように、私も旅するときは自分の勘を大事にしています。できる限りガイドブックは持たず、旅先で出会った人の誘いに付いていったり、その場で決めたりすることがほとんどです。
この一日の出来事が、後に2人の人生を大きく動かしていきます。それだけ強烈で濃い出来事に巡り合えるのは、うらやましいですね。
(聞き手・深山亜耶)
監督・共同脚本=リチャード・リンクレイター
製作国=米
出演=イーサン・ホーク、ジュリー・デルピーほか こうの・るる
1987年、名古屋市生まれ。2016年から国内外で壁画などを描く。 5~17日、名古屋市のアートスペースエーワンで個展を開催。 |