秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
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米サンフランシスコで絵の勉強をしていた24、25歳の頃、英語の会話に慣れるためにDVDで何度も見ました。ちょっと下品なところがあって、胸を張ってお薦めするのははばかられますね。でも好きなんです。
美人で優しく、みんなの憧れの的メリーの心を奪うため、男たちが繰り広げるドタバタ劇です。高校時代から13年も片思いしている主人公テッドはまるでストーカーだし、靴の収集癖がある変人に自称建築家のピザ配達人……。おかしかったり、地味だったり、でもどこか憎めない男ばかりが登場します。
僕もどちらかと言えばそちら側の人間。昔から目立つタイプでもなく、陰で先生の似顔絵を描いてクスクス笑っているような生徒でした。だからか、今もつい変な人に目がいくんです。僕のイラストに登場するのもそんな人ばかり。だって、その方が人間味があって面白いじゃないですか。
最終的に5人の男たちがメリーの家に集合し、彼女へ思いを伝える。でもテッドは他の男に彼女を譲り、部屋を飛び出してしまうんです。何か分かるなあ、その気持ち。そして、最後にメリーの出した答えに胸が温かくなります。
この映画にスーパーヒーローはいません。むしろ、普通の映画なら光の当たらないようなダメな男ばかりが登場する。そんな彼らの欠点も個性と認め、「そのままでいいんだよ」と言ってくれている気がしました。
聞き手・永井美帆
共同監督=ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー
製作=米
出演=キャメロン・ディアス、マット・ディロンほか はない・ゆうすけ
1978年生まれ。国内外で展示を行う。3月25日、VANSとのコラボレーションスニーカーが先行発売(全国発売は4月8日から)。 |