秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
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舞台は二大国の戦争で荒廃し、石油が枯渇した世界。どこまでも続く荒野で、ガソリンを求め、ヒューマンガスが率いる暴走族が石油精製所をたびたび襲撃している。主人公マックスは精製所のリーダーからガソリンをもらう見返りにタンクローリーの運転を請け負い、精製所の住民を楽園に脱出させる手助けをする。
初めて見たのは中学1年生くらい。テレビで見て「『北斗の拳』のまねしている」って勘違いしました。私には兄と弟がいて、映画や漫画は男ものを見て育ちました。アクション映画で最初に影響を受けたのがこの映画かもしれません。
一番好きなシーンは敵のヒューマンガスが、怒りでカッとなった部下のウェズを「お前の気持ちはよくわかる」と言って片腕で首を絞め上げるところ。「あっ、こういうのが本当のボスなんだ」って思った。圧倒的な強さをもっているっていうのが格好よかったですね。
ただの暴力映画は嫌いです。撃ち殺したり、猟奇的だったりとか。この映画って残酷なシーンはあるんだけど、味方にも敵にも人間味がある。それに、ファンタジーだと思うんです。精製所の人たちは白くてきれいな格好で、暴走族は黒い鎧(よろい)のような服を着ている。現実離れしていて、ありえない世界観。どこかコミックぽいのかな。今年、シリーズ最新作が上映されるって聞いたときはすごく驚きました。同じ監督が70歳で映画を撮り終えたことに大興奮ですよ。ものすごいと思います。
聞き手・吉田愛
監督・共同脚本=ジョージ・ミラー
製作=豪
出演=メル・ギブソン、ブルース・スペンス、ヴァーノン・ウェルズほか いしぐろ・あやこ
1973年生まれ。代表作の絵本「ばけねこぞろぞろ」などで妖怪を多く描く。9月21日まで、東京都杉並区の「URESICA」で個展。 |