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美博ノート

ゴールデン・スネーク

ヤマザキマザック美術館「布施知子 ORIGAMI 紙の鼓動」

洋紙(ハイピカE2F)2024年 作家蔵

 アールヌーボーの家具が並ぶダイニングルームに、金色に輝く「ヘビ」が姿を見せた。折り紙作家の布施知子が、ヤマザキマザック美術館の展示室から想を得たインスタレーションだ。

 布施は、ダイニングや寝室の家具がある三つの展示室を下見。それぞれの雰囲気に合わせて3色の「ヘビ」を約20体ずつ制作した。本作は、食卓に飾られたマイセンの食器の華やかさに通じる金色。ナナカマドの実をデザインした家具があるダイニングには赤色、シックな雰囲気の寝室には銀色の「ヘビ」を放った。

 「ヘビ」は細長い紙1枚から制作。ギザギザとした形が連なる部分は、繰り返し折りを用いた。「同じ折りを重ねることで重量感と存在感が表れている」と、ヤマザキマザック美術館主任学芸員の吉村有子さん。蛇腹のように伸縮させることもでき、今にも動き出しそうな躍動感と力強さを備えている。 

 

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