「なごみの米屋」のぴーなっつ最中 地元・千葉の名産、落花生が練り込まれたあんが詰まっていて、食べると地元で過ごした時間を思い出します。
和菓子って日本が生み出したジャンクフードだと思うんです。にもかかわらず、日本文化を表したかのように、澄ました表情でいかにもお高くとまった雰囲気を醸し出している。あの裏表のある感じがいい。
あわぜんざいが好きですね。きび餅の上にあんこがかかってて、主食的な感じでも食べられる。我を忘れたいときに食べます。わーっと血糖値が上がって、ぼーっと思考停止できるじゃないですか。あわぜんざいに限らず、小豆や黒蜜の甘さも好きです。
「梅園」は、浅草と日本橋だと店内でも食べられるお店があるし、ほかにも色んな駅に販売店もあって買いに行きやすいんですよね。
日本の文化を考える場合、クールジャパンみたいに海外にも評価されたり、理解されたりするようなことを誇りがちじゃないですか。だけど、本当の文化ってその土地にしかない固有のものなので、外部の人には理解しがたいものだと思うんですよ。
日本に来た外国人に聞くと、豆と砂糖を煮たものを食べるというのが、とくに欧米の人からするとただの謎らしい。そういう意味で、和菓子は世界に理解されていない日本の文化で、だからこそ愛すべきもの。もっと目を向けていいんじゃないかって。
◆浅草本店 東京都台東区浅草1の31の12(電話03・3841・7580)。792円。[前]10時~[後]5時([土][日][祝]は6時まで)。無休。同店と髙島屋日本橋本店内で提供するほか、冬季のみ販売店でも扱う。
なりた・ゆうすけ 経済学者、米イエール大学助教授。半熟仮想株式会社代表。専門はデータとアルゴリズム、ポエムを使ったビジネスや公共政策の想像とデザイン。近著に「22世紀の民主主義」(SB新書)。