「なごみの米屋」のぴーなっつ最中 地元・千葉の名産、落花生が練り込まれたあんが詰まっていて、食べると地元で過ごした時間を思い出します。
句会に、お互い賞品というか景品を持っていくことになってるんですが、あんまり日持ちのしないものとか、多すぎて持てあます、みたいなものは都合が悪い。
このお菓子はカサも張らないし、ペロッと一口に食べられるところが素晴らしい。マスカットやトマトを求肥(ぎゅうひ)でくるんであるだけで、ややこしい添加物も入っていないし、不自然なところが全然ないのがいいです。
求肥って中国から渡ってきたものなんですね。もともとは牛皮と書いたらしい。牛の皮。どうして牛の皮なんだか知らないけど、中国じゃあ食べ物の工夫が尋常じゃないから、牛の皮をやわらかく煮込んで食べるくらいなことはしたんじゃないですかね。
もち粉や白玉粉と水あめと砂糖で、その食感を再現したのが求肥なんじゃないか?っていうのがボクの推理。コドモの頃から、この不思議な歯ごたえっていうか、食感は好きでした。
あっという間に食べちゃうし、量のわりに決して安いわけでもないから「誰かにもらうとウレシイお菓子」とウチでは呼んでます。「たまのゼイタク」と思って、ごくたまに買う(笑)。
◆本社は広島県三原市(☎0120・62・4097)。西武池袋店、銀座三越店、阪急うめだ店など16店舗。インターネットでも購入可。4個入り1512円~(4月~9月ごろの限定販売)。
みなみ・しんぼう イラストレーター、エッセイスト、装丁家。1947年生まれ。漫画雑誌「ガロ」の編集長を務めた後、フリーに。近著に「あっという間」(春陽堂書店)など。