新浜レオンさん
「なごみの米屋」のぴーなっつ最中 地元・千葉の名産、落花生が練り込まれたあんが詰まっていて、食べると地元で過ごした時間を思い出します。
「なごみの米屋」のぴーなっつ最中 地元・千葉の名産、落花生が練り込まれたあんが詰まっていて、食べると地元で過ごした時間を思い出します。
古書店を目当てによく訪れる天神橋筋商店街にあるお店です。路面のショーケースにかわいいケーキが並び、紅茶の香りが漂い、前を通る度に足を止めてしまう、英国風の喫茶店です。
ショートケーキというと、生クリームで覆われたものを想像しますが、ここのショートケーキはご覧の通り。素朴で素直に愛らしい。みずみずしいイチゴと口あたりのよい生クリーム、スポンジの上品な甘さの組み合わせがたまらないケーキです。
僕の誕生日は元日なんです。子供の頃はお店がどこも閉まっていて、母がケーキを作ってくれていたんですね。当時は生クリームが苦手だったのでスポンジの間に少し挟む程度。その分イチゴはたっぷりのせてあってうれしかった。そんな実家のケーキを思い出させてくれます。
僕の短歌は日常で気に留めた「たね」が膨らんで出来上がります。「倒れないようにケーキを持ち運ぶとき人間はわずかに天使」は、まさにこのケーキが「たね」になった歌。浮き上がってきそうなほどにふわふわのスポンジを倒さぬよう、そっと抱えて帰る喜び。考えてみれば、このケーキ自体も天使っぽいですね。
◆大阪・天満店 大阪市北区天神橋4の6の14
(問い合わせは06・6357・9780)。
770円。
午前10時~午後9時
((金)(土)、(祝)前日は10時まで。営業時間は要確認)。
無休。
おかの・だいじ 歌人。1980年大阪府生まれ。
著作に近刊の歌集「音楽」のほか谷川俊太郎、木下龍也との共著「今日は誰にも愛されたかった」(いずれもナナロク社)など。ツイッター(@kanatsumu)でも短歌を公開中。