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アートリップ

こども、おとな、としより、めぐる、ぐるぐる
井上ヤスミチ作 (東京都豊島区)

公園のトイレを明るく楽しく

毎日遊びに来る園児たちは、正面左下に描かれた白い犬がお気に入り=伊ケ崎忍撮影
毎日遊びに来る園児たちは、正面左下に描かれた白い犬がお気に入り=伊ケ崎忍撮影

 住宅街の小さな公園に、近所の保育園から遊びに来た園児たちの声が響く。その先には、目の前の風景がそのまま描かれたような建物が。東京・池袋駅から西武池袋線で1駅、椎名町駅にほど近い南長崎公園の「アートトイレ」だ。

 デザインを手掛けたのは、地元に住むイラストレーター、井上ヤスミチさん(40)。2017年、豊島区に依頼され、褪色しにくい水性ペイントで約2週間かけて制作した。絵は4面の壁全てに描かれ、1周まわって見られるように続いている。登場するのは、散歩する園児、自転車の親子、あいさつを交わすお年寄りなど。「14年間ここに住む自分が、日頃見ている町の風景です」と井上さん。タイトルの「めぐる」には、まわって見るという意味に加え、人が年を重ねていく人生の変遷も込めている。

 「アートトイレ」は、「汚い、暗い、怖い」といった公衆トイレのイメージを変えたいと、同区が20年の東京五輪・パラリンピックに向け、17年から3カ年計画で進めているプロジェクト。区内133カ所の公園、公衆トイレから改修が必要な85カ所を選定。これまでに24カ所をアーティスト、地域の保育園児や小学生、障害者などが制作した。また、きれいなトイレを維持するために、清掃を1日1回から2回に増やしている。

 椎名町ひまわり保育園の園長、遠藤充子さん(61)は「子どもたちが安心して利用するようになった」とほほえんだ。

(陣代雅子)

 南長崎公園

 1988年開園。軽い運動に適したダスト敷きの広場を中心に、幼児用の遊具や砂場がある。地域の住民が利用できる集会所も併設。夏には盆踊り会場となる。


ぶらり発見

立ち食いそばの南天・本店 椎名町駅北口すぐ。立ち食いそばの南天・本店(問い合わせは03・5966・3600)では、肉そば(写真、450円ほか)が人気。うどんもあり、いずれも温冷が選べる。このほか、数種類のメニューがある。午前5時半~翌午前1時半。

 南長崎公園から徒歩15分ほど。ターナーギャラリーでは、19日(土)午後3時半、絵、音楽、踊りを融合させたライブペイントショー「アパッシュ」を開催。2500円。問い合わせは事務局(問い合わせは3953・5155)。

(2019年10月1日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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