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ほくほく味さんぽ

築地<4>路地に息づく、のれんの味

素材を生かした納得の甘さ

カットしてみると、あんとパンの絶妙のバランスがよくわかる。後ろ左から、けしあんぱん(こしあん、つぶあん、さっぱりこしあん) 前左から、極上栗あんぱん(つぶあん)、極上栗あんぱんゴールド(こしあん)
カットしてみると、あんとパンの絶妙のバランスがよくわかる。後ろ左から、けしあんぱん(こしあん、つぶあん、さっぱりこしあん) 前左から、極上栗あんぱん(つぶあん)、極上栗あんぱんゴールド(こしあん)
カットしてみると、あんとパンの絶妙のバランスがよくわかる。後ろ左から、けしあんぱん(こしあん、つぶあん、さっぱりこしあん) 前左から、極上栗あんぱん(つぶあん)、極上栗あんぱんゴールド(こしあん) 映画「風立ちぬ」に登場してリバイバルヒット中の「シベリア」も人気メニューのひとつ 築地木村家ペストリーショップ本店。キャッチコピーとイラストにレトロな雰囲気が漂う看板が目印 銀座千疋屋 築地店 ケーキショップ。新大橋通り裏手にひっそりとたたずむ、こぢんまりとした店構え シンプルだからこそ素材の味が生きた「栗のケーキ」 じっくり煮込んだ栗の味わいが堪能できる「国産栗のモンブラン」

 築地エリアの第4回は、築地本願寺から新富方向に進んだ築地2丁目、3丁目エリアの味さんぽ。新大橋通りを挟んで新富町駅寄りの2丁目、そして聖路加国際病院に近い3丁目の名店をご紹介します。

 最初は、築地三丁目交差点を築地警察署方面に曲がってすぐの「築地木村家ペストリーショップ本店」。小さなお店ですが、お客さんがひっきりなしに訪れます。それもそのはず。なにしろ、明治時代に銀座木村家に修業に出た初代がのれんを分けた、伝統ある存在なのです。

 4代目の内田秀司さんによると、名物であるあんぱんの味は3代目が確立したものなのだとか。ソフト感をより長持ちさせるため、ビール酵母を使用することにしたのだそうです。そんなわけで、季節品も合わせて10品目ほど出ているあんぱんは、あんと皮のバランスが絶妙。皮が主張しすぎず、あんも出すぎることなく、お互いが調和しています。素朴ながらもクセになる味という感じ。

 人気のあんぱんは、「こしあん」「つぶあん」、甘さ控えめの「さっぱりこしあん」と、けしあんぱんが3種(すべて190円)。そして栗あんぱんは、つぶあんの「極上栗あんぱん」(270円)、こしあんの「極上栗あんぱんゴールド」(370円)の2種、合わせて計5種があります。地元の人のみならず遠方から買いに来るお客さまも多いそうですが、一日に500~600個が売れるという話にも十分納得できます。

 築地三丁目交差点を渡ると、そこは築地3丁目のエリア。最初の四つ角を左に曲がってしばらく進むと、右側に見えてくるのが「銀座千疋屋 築地店 ケーキショップ」です。あまり知られていないことですが、千疋屋は「千疋屋総本店」「京橋千疋屋」「銀座千疋屋」にのれん分けしており、それぞれメニューも味も違うのだとか。そして、銀座5丁目にある「銀座本店フルーツショップ・フルーツパーラー」、新宿・京王百貨店内の「新宿店フルーツショップ」、そしてここ築地店が「銀座千疋屋」なのだそうです。

 銀座本店の工場からショップに発展したという築地店は、包装を簡易にしている分、価格がリーズナブルになっている点が魅力。フレッシュなフルーツを使用して、できるだけシンプルに作っているそうで、本店では買えないケーキを買うこともできます。生クリームやスポンジも質の高いものを使用しているため、同じ銀座千疋屋でも築地店がいいという常連さんが多いといいます。これからの季節は「栗のケーキ」(750円)や「国産栗のモンブラン」(650円)がおすすめ。厳選された新栗だけをじっくり煮込んだ栗は、ほどよい甘さの上品な味わいです。

(印南敦史)

■築地木村家ペストリーショップ本店

東京都中央区築地2-10-9
TEL:03-3541-6885
営業時間:[月~金]午前7:00~午後8:00、[土]午前7:00~午後7:00
休み:日曜・祝日
お店の奥にはカウンターがあり、コーヒー(150円)などのドリンクとともにイートインすることも可能。

■銀座千疋屋 築地店 ケーキショップ

東京都中央区築地3-5-16銀座千疋屋ビル1F
TEL:03-6820-7373
営業時間:午前10:00~午後6:00
休み:年末年始のみ
URL:http://ginza-sembikiya.jp/
工場直結なので、好きな果物を使ってもらうなど、好みに応じたリクエストも可能。

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