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建モノがたり

プレステージ・インターナショナル富山BPOタウン(富山県射水市)

千人が出会える 放射状の”街”

プレステージ・インターナショナルでは秋田、山形に続く大規模センター。全体の形は「クリスタル(結晶)」をイメージした=ナカサアンドパートナーズ撮影
プレステージ・インターナショナルでは秋田、山形に続く大規模センター。全体の形は「クリスタル(結晶)」をイメージした=ナカサアンドパートナーズ撮影
プレステージ・インターナショナルでは秋田、山形に続く大規模センター。全体の形は「クリスタル(結晶)」をイメージした=ナカサアンドパートナーズ撮影 中庭(右)を眺める位置に人々が集まる。左下は休憩や仕事もできるコーナー

立山連峰を望む、自然豊かな郊外にある不思議な形の建物。子どもの声も聞こえる、ここは何?

 コンタクトセンター大手プレステージ・インターナショナル(本社・東京)のオフィスは、真ん中が丸く空いた大の字のようにも見える。

 放射状に延びる長さ50~70メートルの5棟には約千席の業務スペースのほか、男女48人が暮らせる寮、従業員や地域の子どもを預かる保育園がある。仕事の場だけでなく、生活も包み込む「街」なのだ。

 仕事中の従業員は忙しく、席から離れることは少ない。委託企業別に分かれ、互いに顔を知らないことも多い。設計した小野田環さん(48)は「千人が出会えるオフィス」を目指した。

 中心はどの棟からも突き当たる直径40メートルの中庭。芝生に遊歩道もある中庭をガラス越しに取り巻くように椅子が置かれ、休憩中の人が思い思いに過ごす。カフェテリアや会議室、トレーニングルームも中庭やその近くにある。

 「みんな真ん中に集まり、コミュニケーションが生まれます」と採用グループ・スーパーバイザーの山下鮎美さん(35)は話す。せせらぎのある廊下、内装の落ち着いた色使い、あえて緩い傾斜をつけた床なども心地よさを演出する。「お困り事を解決する仕事なので、気持ちが安定していることが重要です」

 山下さんは年500人ほど、入社希望者や見学者などに社内を案内する。「人を大切にする」という社のメッセージを、目で見て納得してもらえると感じている。

(栗原琴江、写真2枚目も)

 DATA

  設計:久米設計
  階数:地上2階
  用途:オフィス、寮など
  完成:2015年

 《最寄り駅》 小杉駅からバス 


建モノがたり

  徒歩5分の県民公園太閤山ランド(電話0766・56・6116)は広大な敷地にプール広場、バーベキューコーナー、展望塔などがあり、サイクリングやボートも楽しめる。園内の移動には蒸気機関車型の「トレーン」(1日350円、冬季は運休)も。午前9時~午後5時。(火)、(祝)翌日、年末年始休み。

(2022年1月18日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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