当時のアニメソングも音楽性が高いというか、歌い手さんも、実力派で、歌唱力はめちゃめちゃある。今ってもう、普通に人気あるアーティストが歌ってますが、昔はアニメとか、テレビドラマとか、CMソングの人って、歌声だけで抜擢(ばってき)されていてルックスがあまりよくないとか、ちょっと下の扱いを受けていて。水木一郎も本当は普通の歌謡曲でデビューしているんですけど、アニメの歌を歌えって言われたときすごい抵抗感があったらしいです。今でこそまさに「ミスターアニソン」といわれるまでになっちゃったんですけど。
もうひとつ。「タイガーマスク」というアニメのエンディングも印象深いですね。「みなし児のバラード」という歌で。これも子ども心にジーンとしてしまう。「みなし児のバラード」を当時は新田洋の名で歌っていた森本英世は、後の「わたし祈ってます」を歌う「敏いとうとハッピー&ブルー」のボーカルになり、ムード歌謡の象徴的存在になった。僕はやっぱりアニメの歌に洗礼を受けて、ムード歌謡を聞いていたのかもしれない。
(聞き手 大野紗弥佳)
・「元祖天才バカボン」……赤塚不二夫の漫画「天才バカボン」が原作のテレビアニメ。日本テレビほかで1975~77年放送。 |
たぶれっと・じゅん
歌手、芸人。1974(昭和49)年8月31日、3人きょうだいの末っ子として相模原市に生まれる。小学生の頃、台所で母が聞いていたAMラジオをきっかけに昭和歌謡に深く親しむ。高校卒業後は古書店や介護職、歌声喫茶の勤務を経て27歳の時に「和田弘とマヒナスターズ」に加入する。解散後はソロとなり、「ムード歌謡芸人」としてライブや漫談、ラジオパーソナリティーなどで活躍中。 |
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