箱根といったら温泉に駅伝、そして富士山。その雄大な姿を近くに望めるスポットが、箱根にはたくさんあるんです。たとえ天候に恵まれなくても、いろいろな趣の「富士山」に出合える場所も紹介します。
取材・文/河瀬久美
撮影/篠塚ようこ
富士山、見えるかな?
午前7時、新宿駅から箱根湯本駅に向かうロマンスカーに乗った。今日は晴天。箱根が近づくとさっそく、車窓から富士山の姿が見えた。
まずは大涌谷へ。ロープウェーで近づくと、眼下の谷に火山性蒸気の白煙が噴き出していた。しかし前方に見えるはずの富士山は雲の中。観光施設「大涌谷くろたまご館」の三山彰彦さんによれば、朝が一番富士山が見えやすく、晴天でも時間がたつほど雲に覆われてしまうそうだ。
次の目的地は桃源台港。おもちゃのような「箱根海賊船」から富士山を眺めつつ芦ノ湖をクルーズするはずが、その姿は見えないまま元箱根港に到着。芦ノ湖のほとりでやっと姿が拝めたが、頂上は雲に隠れたままだ。
疲れを癒やしに、姥子の「ホテルグリーンプラザ箱根」へ。露天風呂から富士山が望めるはずだが、やはりここでも……。しかし自家源泉の湯は、歩き回って冷えた体をじんわりと温めてくれた。
美術館で出合える富士山
箱根には、天候に恵まれなくても「富士山」に出合える場所がある。
小涌谷の岡田美術館。目当ては横山大観の絵画「霊峰一文字」だ。照らし出された横9メートルの大作が、薄暗い展示室で浮かび上がっていた。1926年、大観が当時の大阪文楽座の総座頭の病気回復を祝い贈った作品。小林忠館長によれば、黒雲を割り姿を現した富士山は、病を克服した生命力を表しているという。
強羅の箱根写真美術館では、箱根出身の写真家、遠藤桂さんが富士山を写した作品を展示している。「毎日夜中の1時半に起きて、空の感じが良ければ撮影に出かける」と遠藤さん。月明かりに照らされた富士山に、一面の銀世界の中の富士山……。遠藤さんが「生活の一部として」撮影した富士山は、時に力強く、時に神秘的で、どれも美しかった。
大涌谷くろたまご館 ホテルグリーンプラザ箱根 岡田美術館 箱根写真美術館 |
食べれば7年延命?
大涌谷の温泉でゆでることで、殻が黒くなる「黒たまご」。大涌谷の「延命地蔵尊」にあやかり、食べると7年寿命が延びると言われているのだとか。自然研究路の玉子茶屋でゆでたてを販売。5個入り500円。問い合わせは、大涌谷くろたまご館へ。
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【応募締切 1月29日16時】 たくさんのご応募ありがとうございました。 |