静岡県の南北をほぼ大井川沿いに走る大井川鐵道。期間限定で運行する「きかんしゃトーマス号」に乗車して、SLの旅を味わってみました。
文・写真/中村茉莉花
昔懐かしいSLや昭和に活躍した各地の電気機関車・電車が走り、鉄道ファンの間でも根強い人気を誇る大井川鐵道。2014年から、6月中旬~10月初旬の期間限定で「きかんしゃトーマス号」を運行している。イギリス生まれの人気キャラクターのSLとあって、毎年乗車チケットが抽選となるほどの人気ぶりだ。
静岡県島田市の新金谷駅。周囲をなだらかな山々が取り囲む、のどかな駅舎だ。午前10時、「トーマス」のテーマソングとともに、ホームにトーマス号が入ってきた。青い車体はぴかぴか光り、煙突からは黒い煙を吹き出している。客車に乗り込むと、車内はトーマスや仲間たちの絵が描かれたフラッグやシートカバーで彩られ、すっかり「トーマス仕様」だ。
10時38分、トーマス号が新金谷駅を出発。ほどなくして、窓の外に茶畑が広がり始めた。車窓の景色を眺めながら「きかんしゃトーマス弁当」を味わっていると、車内にテレビのトーマスの声でアナウンスが流れた。「もうすぐトンネルだよ。少し暗くなるけど、怖くないからね」。煙やすすが車内に入るのを防ぐため、乗客たちが次々に窓を閉め始めた。トンネルを過ぎると再び窓を開け、トンネルに差し掛かるとまた閉める。うっかり窓を開けっ放しにしておいたら、シートや服にうっすらすすがついてしまった。
11時54分、川根本町の千頭(せんず)駅に到着。新金谷駅と千頭駅の構内や「道の駅 音戯の里」では、トーマス号(またはジェームス号)運転日のみ、「きかんしゃトーマスフェア」が開催され、様々な展示やアトラクションが楽しめる。
千頭駅での目玉は、トーマスの仲間たちに会えることだ。この日は操車場で黒い車体のSL「ヒロ」に緑色の小さな「パーシー」、真っ赤な「ジェームス」、さらに鉱山鉄道のディーゼル機関車「ラスティー」やバスの「バーティー」らの姿を見ることができた。
転車台での転車も見学できる。1897(明治30)年にイギリスで作られ、現在もほぼ毎日利用されているという転車台は、なんと手動式。駅員や機関士が5人がかりでトーマス号を回転させると、見物客から拍手が起こった。
旅の最後は「道の駅 川根温泉」へ。露天風呂や温水プールから、鉄橋を走るSLを眺めることが出来る。時間がなく残念ながら入浴はできなかったが、鉄橋を走るトーマス号の雄姿をカメラに収めることができた。
今年の「トーマス号」「ジェームス号」は予約満席。キャンセルが出た場合のみ、大井川鐵道のホームページやツイッター上でお知らせする。来年の運行情報は未定。
大井川鐵道 http://oigawa-railway.co.jp/
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川根温泉笹間渡駅から徒歩5分の「道の駅 川根温泉」内には、天然温泉「川根温泉 ふれあいの泉」が。露天風呂や温水プールにつかりながら、大井川の鉄橋を渡るSLを眺めることができる。温水プールは、2017年7月にリニューアルオープンした水着着用のバーデゾーンにあり、温泉やサウナ、岩盤浴なども楽しめる。
温泉入浴料510円、小学生300円。温水プール利用料金710円、小学生300円。温泉&プール共通利用1020円、小学生510円。
静岡県島田市川根町笹間渡220(TEL0547・53・4330)。午前9時~午後9時(受付は30分前まで)。原則毎月第1火曜休み。
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