ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
個性さまざま 建物の「顔」
黒い三角形の中に直線、曲線、マルや点。川崎市立日本民家園のシンボルマークは何かの暗号のようだ。
多摩丘陵の一角に1967年開園した。地元をはじめ主に東日本や中部地方から農家や町家、水車小屋など25棟を移築した野外博物館だ。
暗号の正体は、屋根。「屋根は建物の顔」と広報の江中佐知子さんは話す。建物を特徴づけ、時代や素材、構造によって様々な屋根のてっぺんの「棟」と呼ばれる部分を6種類、かつて在籍した美大出身の職員がデザイン化した。
上段は、積み重ねたカヤを屋根から突き出した木材に締めて固定する笄棟。五箇山(富山県)の合掌造りにみられる。中段左が二つ屋根の分棟型、同右は瓦ぶき。下段左は柱が直接屋根を支える棟持ち柱の家、同中が屋根に高窓のある豪雪地帯の「グシグラ」、同右は屋根にイチハツ(アヤメ科)の花が咲く芝棟だ。
6種類の屋根は、もちろん園内の古民家のどれかにある。ロゴと見比べながら散策してみるのもおもしろそうだ。
◆川崎市立日本民家園 川崎市多摩区枡形7の1の1(問い合わせは044・922・2181)。10月まで午前9時半~午後5時、11~2月は午後4時半まで(入園は30分前まで)。祝を除く月、土日祝を除く祝翌日休み。