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ロゴ散歩

文京区立森鴎外記念館

文京区立森鴎外記念館

「鴎外」のパーツ 並べ替えると…

 「『g』が『鳥』のように見えたんです」。デザイナーの野内隆さんは話す。そこから「Mori Ogai」の文字をパズルのように並べていった。大文字あり小文字あり、「M」は開いた本の形に、「外」の最後の1画は、鴎外のトレードマークのひげ。

 再来年で没後100年の文豪は軍医、翻訳家、戯曲家、評論家、そして欧州の文化を日本に紹介した人物でもある。鴎外の新たな魅力を伝えるというコンセプトの施設にふさわしいロゴになった。

 森鴎外記念館は、鴎外が30歳から60歳で亡くなるまでを過ごした旧居の跡地に立つ。1962年に図書館に併設の「鴎外記念室」が開室。その後、建て替えをして2012年に新たに開館した。鴎外の多彩な活動を伝える展覧会やイベントなどを行う。

 2階の書斎からは遠くに東京湾が見えたといい、鴎外は屋敷を「観潮楼」と名付けた。ロゴの色は、鴎外が眺めたであろう海の色が表現されている。広報の上岡恵子さんは「万年筆のインクもイメージされています。文豪らしく、美しい色です」。

 ◆文京区立森鴎外記念館 東京都文京区千駄木1の23の4(問い合わせは03・3824・5511)。午前10時~午後6時(入館は30分前まで)。第4(火)((祝)の場合は翌日)、11月30日~12月3日、年末年始休み。

(2020年10月13日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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