ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
開国の条約締結 見守った大木
洋館と、枝葉を大きく広げた木。横浜港に近い横浜開港資料館を実際に訪れた人は、このシンボルマークと見比べて納得するはずだ。
横浜市史編纂のために集めた資料の保存・公開を目的に、1981年に開館。マークは84年ごろに職員らが何をデザインするか話し合い、作成された。
洋館は、31年に建てられた旧館を表している。英国総領事館として建設され、72年の同総領事館廃止後、横浜市が買い取った。市の指定文化財でもある。
大きな木は、中庭で存在感を放つ常緑広葉樹タブノキ(通称たまくす)だ。黒船を率いて来航、横浜に上陸したペリー提督の随行画家も描いた木で、この地で行われた日米和親条約締結も見守ったと伝えられる。幕末には大火に遭い、関東大震災でも黒焦げになりながら息を吹き返した。館長の西川武臣さんは、「たまくすの木と旧館の建物は、開港資料館が次の世代に伝えていかなくてはならない大切な文化遺産」と話している。
◆横浜開港資料館 横浜市中区日本大通3(問い合わせは045・201・2100)。当面の間、午前10時~午後4時(入館は30分前まで)。200円。月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始休み。