『タクシー運転手 約束は海を越えて』の「チュモッパッ」 日本でよく食べられているおにぎりは韓国にもあって、「拳のような形をしたご飯」という意味で、「チュモッパッ」と呼ばれています。
韓国映画やドラマを見ていると、おいしそうな食べものに目を奪われることってありませんか? この連載では、そんな気になるグルメを取り上げ、「どんな味がするの?」「韓国ではどれくらい人気なの?」など、深掘りしていきます。
第1回でとり上げるのは、2020年の米アカデミー賞で作品賞など計4部門を受賞し、世界中で話題になった「パラサイト 半地下の家族」に登場する「チャパグリ」。この変わった名前、二つの即席麺の商品名を組み合わせたものなんです。
第1回 『パラサイト 半地下の家族』の「チャパグリ」
韓国・ソウルの半地下住宅に暮らす貧しいキム一家が裕福なパク家に入り込み、「寄生」していくことで、さまざまな事件が展開していく「パラサイト 半地下の家族」(2020年公開、ポン・ジュノ監督)。韓国の格差社会の現実を痛切に描き、英語以外の映画として初めてアカデミー賞作品賞を獲得するなど、世界的に注目を集めました。
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パク家に家政婦として雇われることになったキム家の母・チュンスク。ある日、パク家の夫人からのリクエストで、慌てて作ることになったのが「チャパグリ」です。いずれも1980年代から続くロングセラー商品、「チャパゲティ」(韓国風ジャージャン麺)と「ノグリラーメン」(海鮮スープのピリ辛ラーメン)という二つの即席麺を混ぜ合わせた食べ方で、それぞれの商品名からとって「チャパグリ」と呼ばれています。
もともとは2013年に韓国のバラエティー番組で紹介され、韓国国内でブームになったアレンジレシピ。作り方はというと、まず2種類の麺とかやくを一緒にゆで、軽くお湯を切ります。それをフライパンで2種類の粉末スープと一緒に炒め合わせたら完成です。
映画ではセレブ一家にふさわしく、大きくカットされた「韓牛」が具材に使われていました。気になる味は、「チャパゲティ」の香ばしいスープと「ノグリ」のモチモチとした太麺が絡み合って、日本人にとってはどことなく焼きそばを思わせるような風味。甘辛な後味がくせになりそうです。写真左が「ノグリラーメン 袋麺」、同右が「チャパゲティ 袋麺」(いずれも農心)。
映画が公開されるやいなや、パラサイト効果で「チャパグリ」人気が再燃。今度は韓国国外にも広がり、ついに2020年4月、二つの即席麺を販売するメーカー「農心」から、正式な商品として「チャパグリ」のカップ麺が発売されました=写真は調理イメージ。日本でもスーパーやコンビニなどで購入できるので、映画の中のチュンスクのように慌てて作ることなく、気軽に「チャパグリ」が楽しめそうです。
【作品情報】
「パラサイト 半地下の家族」
製作年 2019年
製作国 韓国
監督 ポン・ジュノ
脚本 ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン
出演 ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダムほか
Ⓒ2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
Blu-ray&DVD発売中(発売・販売元 バップ)
農心から、「チャパグリ カップ」や「チャパゲティ 袋麺」「ノグリラーメン 袋麺」などの詰め合わせセット(オープン価格)を20人に。
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