・上野公園
台東区の顔ともいえる都立公園です。面積は約53ヘクタール。恩賜上野動物園のほか、2016(平成28)年に世界遺産に登録された国立西洋美術館をはじめ、東京国立博物館、国立科学博物館、東京都美術館などがあり、文化発信スポットになっています。また、春は桜、夏は不忍池一面に早朝に咲くハスの花が見どころです。「上野の西郷さん」として親しまれている西郷隆盛像も有名です。
一帯は、もともと1625(寛永2)年に江戸城の鬼門(北東)にあたる上野の台地に天海大僧正によって建立された東叡山寛永寺の境内地で、たくさんの堂塔や塔頭が立っていました。今でも五重塔(上野動物園内)や不忍池弁天堂、清水観音堂、上野東照宮などが残っています。明治維新後、新政府によって没収され、病院建設計画が持ち上がりましたが、オランダ軍医のA・F・ボードワン博士の提言で、日本初の公園に指定されました。旧宮内省の管轄を経て1924(大正13)年に旧東京市に下賜(かし)され翌年、上野恩賜(おんし)公園になりました。
公園のPRを担うのは、桜をイメージしたキャラクター「うえのん」。ツイッターやフェイスブックで情報を発信しています。
上野恩賜公園
東京都台東区上野公園・池之端三丁目
開園時間は午前5時~午後11時
上野恩賜公園管理所
東京都台東区上野公園5-20
TEL03・3828・5644
・浅草寺の行事
浅草寺の年中行事の一つに、本尊が示現した3月18日にちなんだ「本尊示現会」があります。もともとこの日が「三社祭」とされていましたが、明治の神仏分離令以降、5月に催されるようになりました。本尊をすくい上げた漁師の兄弟と、土地の長の3人は神として三社権現(現在の浅草神社)にまつられています。2020年の三社祭は5月15日~17日の予定です。
夏の風物詩として7月9、10日に境内を彩るのは「ほおずき市」。この日に参拝すれば、人の一生分を超える4万6千日の功徳を得られるといわれます。港区の愛宕神社に伝わる、「ほおずきの実を水で丸のみすれば、大人は持病がよくなり、子どもは腹痛などがなおる」とされた信仰の影響を受け、浅草寺でもほおずき市が立つようになったといいます。
1年の締めくくりは、12月17日~19日の「羽子板市」。羽根が、虫を食べるトンボに似ており、悪い虫(病気)を食べるなどの縁起物として扱われたことから、年の市が立つようになりました。今日では歌舞伎などの伝統芸能を描いたものから、この1年で話題になった有名人などの羽子板が売られています。
浅草寺
東京都台東区浅草2-3-1
TEL03・3842・0181(午前9時半~午後4時、日曜祝日を除く)
諸堂開堂は午前6時~午後5時(10月~3月は午前6時半から)