秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) ハナコ・秋山寛貴さんのお笑いの原点には、さえない主人公がハイテンションな超人に大変身して大暴れするコメディー映画「マスク」がありました。
「マスク」(1994年) ハナコ・秋山寛貴さんのお笑いの原点には、さえない主人公がハイテンションな超人に大変身して大暴れするコメディー映画「マスク」がありました。
「オズの魔法使い」のその後を描く、ディズニー製作の実写映画です。初めて見たのはまだ小学生になる前だから4歳ごろ。家にビデオテープがあったので、一人で留守番をしながら、好きなシーンを何度も巻き戻して見ていました。
今見返すと怖い場面がたくさんあるし完全にダークファンタジーなのに、怖かったという記憶は全くないんです。魔女が自分の顔を首から持ち上げて美しい顔に取り換えられるところも、子ども心に「好きな顔にできてうらやましいな」と思っていたほど、すんなりと受け入れていました。
ドロシーと仲間たちやオズの国のオズマ姫との関係にも憧れましたね。当時は私も友達の一人という感覚で見ていましたし、ずっと心の奥底にみんながいたんだなと今になって気付きました。
これまで誰ともこの映画について話したことがなかったので、私と同じように幼少期に「オズ」を見た人に向けて、手紙を書くような思いを切り絵にしました。ここで共有できるのが本当にうれしくて。ストレートにそのまま、好きなエッセンスを細かい部分まで盛り込んでいます。
映画ではドロシーがカンザスの自宅に戻った後も、鏡を通じてオズの国とつながれることが描かれています。切り絵作品と向き合う時も、今いる現実とファンタジーの世界をつなげる行為なんだと最近はよく感じています。
子どものころ好きだった児童書や自分でも物語を創作して切り絵にしています。切るのはもちろん、和紙で色を付けるのも楽しい。何を創るかは自由なんです。
(聞き手・斉藤由夏)
監督・共同脚本=ウォルター・マーチ
出演=フェアルーザ・バーク、ニコル・ウィリアムソン、ジーン・マーシュほか
さがわ・あやの
東京・西荻窪で切り絵教室を主宰。著書に「そのまま切って飾れるきれいな5色の切り絵帖」(ホビージャパン)など。 |