秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
タイトルロゴやポスターのデザインにひかれ、10年くらい前に見ました。ニューヨークを舞台に、イタリア系マフィア・コルレオーネ家の家族模様とマフィア間の抗争を描いたシリーズの第1作です。
冒頭、娘・コニーの結婚式が盛大に開かれる裏で、一家のドン、ビト・コルレオーネのもとには知人らが次々と相談に訪れます。真っ暗な部屋の中で、顔だけが浮かび上がるという演出は当時、画期的だったそうです。「ゴッドファーザー」と慕われるビトは相手がどんな立場の人間であっても話に耳を傾け、あらゆる困難を解決します。ビトの「断れない提案をしてやる」という言葉が、有言実行といった彼の生き様を表現しているようで、胸に刺さりました。
ある日、麻薬商人から持ちかけられた取引を断ったことで、ビトは命を狙われます。すると、家族の中で唯一マフィアではなかった末息子・マイケルがその報復を決意。レストランで敵に銃を突きつける、マイケルの何とも言えない表情が印象的でした。マイケルのように、人生って何が起こるか予測できません。自分がいるステージを見極め、その都度行動を変えていかなくてはならないのだと気付かされました。
僕にとって、ビトは理想の人物像です。周りから信頼され、地位や財力もあり、家族や知人が困っていたら駆けつけて力になる。もちろん犯罪は許されない行為ですが、いつか自分もそんな「ゴッドファーザー」になりたい。人生の教科書のような作品です。
(聞き手・永井美帆)
監督・共同脚本=フランシス・フォード・コッポラ
製作国=米
出演=マーロン・ブランド、アル・パチーノほか 1984年、岡山県生まれ。2007年、盛山晋太郎とともにお笑いコンビ「見取り図」を結成。「見取り図じゃん」(テレビ朝日、月曜深夜1時56分)など、テレビや舞台で活躍中。 |