秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
大切な人を亡くした者と死者を一度だけ再会させてくれる仲介人「ツナグ」を中心に、親子、友情、恋愛、家族と四つのエピソードが描かれるヒューマンドラマです。もう10回は見ているのに、何回見ても泣けますね。最初はそれぞれの主人公の立場でストーリーを追っていたのが、回を重ねるごとに捉え方や感じ方が変わっていく、結末がわかっていてもまた見たくなる映画です。
遠藤憲一さんが演じる工務店の社長の畠田が、亡くなった母のツルに会うストーリーでは、会いたかった本当の理由を言えずにいる息子をツルさんは全て理解した上で優しく受け止めてくれます。ちょっとしたしぐさからも、2人がいい親子関係なんだというのがすごく伝わってきました。
私も子どもがいるので母親の立場で見たり、まだ元気でいる自分の母への思いを重ねてみたり……悩んでいる時に甘えられるのは、やっぱり母親なんでしょうね。ほかにも、登場人物の一人ひとりが不器用でうまく生きられない部分も含めてとても人間らしくて、生き方から学べることがたくさんちりばめられている気がします。
消しゴムはんこで描いたのは、時空を超えた「つながり」が感じられるような、ちょっと不思議な世界です。活動を始めて14年、これまでとは違う奥行きある構図に新たに挑戦してみました。
もし自分が死者との仲介人「ツナグ」に指名されたとしたら、それも縁なので引き受けるかな。映画でも描かれているように、縁が導いてくれるものってあると思うんです。自分から立候補はしませんけどね(笑)。
(聞き手・斉藤由夏)
監督・脚本=平川雄一朗
原作=辻村深月
出演=松坂桃李、樹木希林、遠藤憲一、八千草薫、仲代達矢ほか たぐち・なつこ
MBS・TBS系「プレバト!!」で消しゴムはんこコーナー担当。「絵本で知ろう二十四節気 春」(文研出版)6月中旬発刊予定。 |