秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
フィンランドの首都・ヘルシンキで小さな食堂を営む主人公のサチエと、偶然出会ったミドリ、マサコの3人が織りなす穏やかな日常の物語。何げないところに面白みや笑いがあって、肩の凝らない内容なので、疲れているときや癒やしを求めているときに無性に見たくなります。
特に好きなのは、サチエとミドリがシナモンロールを作るシーン。店の外でうわさ話をしていたおばさんたちも匂いにつられて入って来たりと、お客さんが来る転機になった場面です。徐々に歩み寄り、街に浸透していく様子がすてきでした。
唐揚げ、焼き魚など普通の料理がとてもおいしそうで、食べることがていねいに描かれているのが新鮮でしたね。「みんなで同じものを食べると心が近くなるよ」っていう、優しいテーマが込められている気がします。私も食べることが好きで、すしや天ぷらの切手をデザインしたことがあります。それまで食べ物モチーフの切手はあまりなかったので「ラーメンが切手になった」と、ネット上が少々ざわつきました(笑)。
3人とも個性的で、でもすっとなじんでいるところがいいですね。皆、何かを抱えて生きてきたんだなってことを想像させるだけで、あえて説明はしない。上手に表現しているなあと思います。
切手デザイナーになり23年。コロナ禍にデザインした「ライフ・花」の84円シートの余白にこっそりアマビエっぽいものを入れてみました。あまり説明しすぎず、気づいた人が喜んでくれたらいいなと。そういうところは3人のスタンスと似ているかも知れませんね。
(聞き手・片山知愛)
監督・脚本=荻上直子
原作=群ようこ
出演=小林聡美、片桐はいり、もたいまさこほか ほしやま・あやか
日本郵便株式会社勤務。22日にデザインを担当したグリーティング切手「宝石・鉱石~自然の芸術~」が発売予定。 |