秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
この映画の存在を知ったのは中学生のとき。ビデオレンタル屋の店員さんに「それはもうグロテスクな映画」だと教えてもらいました。1人で見るのが怖かったので、友達数人を部屋に呼んで上映会をしたんです。その後、僕んちで超面白いゾンビ映画が見られるんだぜってうわさがひろまり、クラスの半分くらいの男子が「ブレインデッド」見たさに集まって、一時期僕の部屋は映画館みたいになってた。
グロテスクだけど、なかなか笑える感じの映画なんですよね。映画の舞台を1950年代にしたおかげでゾンビの世界がなんかおしゃれになったんです。スプラッターとコメディーとモダンが合わさった斬新な映画だなって。エンディングの曲もバラードでそれがまたいい。センスの塊なんです。だから監督のピーター・ジャクソンが、後に「ロード・オブ・ザ・リング」を撮ったときは、感慨深かったしうれしかった。
最初はゾンビ相手にカンフーをするシーンが衝撃でした。日本のホラーって人間がお化けに惨敗するものが多い。だけど、人間はお化けに負けちゃいかんっていうのが僕の持論なんです。僕の作品のなかで幽霊をぶん殴ってますが、その発想の原点はあの映画にあったんだと思う。
中学から高校にかけては、スプラッターやホラーだけじゃなく、恋愛やアクションとか相当幅広いジャンルの映画を見ていて、映画ざんまいでした。僕の作品にはジャンルがいっぱいあるって言われるけど、それは色々映画を見てきたからなのかもしれないです。
(聞き手・宮嶋麻里子)
監督=ピーター・ジャクソン
製作=ニュージーランド
出演=ティモシー・バルム、ダイアナ・ペニャルバーほか おしきり・れんすけ
1979年生まれ。週刊少年チャンピオン(秋田書店)で「ジーニアース」を連載中(第1巻は2月8日発売)。 |