秋山寛貴さん(お笑い芸人)
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
「マスク」(1994年) 何をやってもうまくいかない主人公・スタンリーがマスクをつけると、ハイテンションな超人に大変身し、アパートから外出するために大暴れする。
映画のDVDは大きな棚を埋め尽くすくらい持っていて、最近整理をしたら1千本以上はありました。中でもこの映画は、私にとって特別な作品です。ペネロペ・クルス演じる主人公のイザベラを、いつか自分が舞台上で演じてみたいという夢をずっと持ち続けているんです。誰かを一途に愛する純粋な気持ちを思い出させてくれる、絵本のようなファンタジーラブコメディー。もう10回以上は繰り返し見たと思います。
ペネロペは顔もスタイルも大好きな憧れの女性です。夫に浮気をされたイザベラが感情をむき出しにして泣いたり怒ったりする表情から、セクシーなワンピースを着て笑顔をふりまく姿まで、ただそこにいるだけでも素敵で絵になります。巻いてセットしたロングヘアにも憧れちゃいますね。
この絵はショックから立ち直れないイザベラが、夫への愛を断ち切るために占師のレシピで作った「呪いのケーキ」がモチーフです。海の女神・イマンジャにこれを捧げた翌朝から、イザベラのまとう空気が明るくなって運気がどんどん上がっていく、彼女の転換点でもあります。街を歩いただけでイザベラのとりこになった男性たちが後ろにぞろぞろとついてきてしまう場面は本当にキュート! 傷ついて落ち込んだ先にも、笑えるような未来があると思える印象的なシーンの一つです。イザベラが料理に好んで使うトウガラシも入れてみました。私は辛いものが苦手なんですが、この独特なフォルムが大好きで、料理と同じように絵の中でもちょっとしたスパイスになってくれたかなと思っています。
(聞き手・斉藤由夏)
監督=フィナ・トレス
製作=米
出演=ペネロペ・クルス、ムリロ・ベニチオ、ハロルド・ペリノーほか なかごし・のりこ
1979年佐賀県生まれ。ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。「特捜9 season4」(テレビ朝日系)に出演中。 |