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森山未來×北村匠海×勝地涼、初挑戦のボクシングに全身全霊で挑んだ『アンダードッグ』舞台挨拶に登壇!

3人の絆トーク炸裂!

アンダードッグ
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 第33回東京国際映画祭のオープニング作品、劇場版『アンダードッグ』。第88回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表に選出されるなど、多数の映画賞を席巻した 『百円の恋』から6年。監督・武正晴、脚本・足立紳をはじめとする製作陣が、キャストに森山未來、北村匠海、勝地涼を迎え、再びボクシングを題材にした作品で、過去のささやかな栄光が忘れられず〝かませ犬(=アンダードッグ)〟になり果てた今も、ボクシングにしがみつく事しかできない主人公を中心に、人生から見放された三人の負け犬たちが、再起を賭けて闘う感動作である。

 公開を記念し、11月28日(土)の舞台挨拶には、主演の森山未來、北村匠海、勝地涼、そして武正晴監督が登壇!三者三様のボクサーを演じた、メインキャストの3人が遂にイベントで一堂に会した。初めてボクシングに挑み、共に過酷な撮影を乗り越えたことで絆を深め、すっかり仲良しになった3人が、ストイックに追い込んだトレーニングや、激闘の試合後の撮影秘話、さらに本作へ込めた想いなどを、たっぷり語った。

 日本ライト級ボクサーで今は “かませ犬”としてリングに立つ主人公・末永晃を演じた森山が「初日が昨日で今日は二日目、本当にありがとうございます。ボクシング映画ではありますが、立ち上がりたくても立ち上がれないような境遇のなか、それでも生きざるをえない人たちの物語があって、その想いをリング上でぶつけるところでボクシングというものが出てきます。ルーザーたちがどうしてボクシングに向き合わないといけないのか、そこにドラマがある作品ですので、その物語を最後まで楽しんでいただければと思います」、将来を期待される若手天才ボクサー・大村龍太を演じた北村が「劇中の龍太がそうですが、僕自身もボクシングに魅せられていく感覚を味わいながら撮影に挑みました。ここまで自分自身と向き合い、どんなにきつくても自分に牙をむけるような、ストイックにならざるを得ない撮影は充実でしたし、その作品がやっと皆さんに届くと思うと嬉しいです」、バラエティ番組の企画でボクシングに挑戦することとなるお笑いボクサー・宮木瞬を演じた勝地が「僕自身、自分が演じた宮木瞬という男にリンクするものがあって…、カメラが回ってると頑張っちゃうとか、本当は真面目な男なのに、ふざけちゃうといいますか(笑)この役に出会えたことが有難いですし、出会えたことで次のステップに進めるなと思いながら演じることができました」(勝地)、武監督が「前後編で、皆さんには半日をこの映画に費やしていただくこととなり、嬉しいです。前編では宮木の頑張りを観ていただいたと思いますが、後半の晃と龍太の死闘も是非お楽しみいただければと思います」とそれぞれ挨拶すると、前編の上映を終えたところで熱気に包まれた会場からは大きな拍手が巻き起こった。

 様々な理由を背負ったボクサーたちの三者三様のドラマが描かれていく本作だが、それぞれの登場人物には最初に名前が挙がった理想通りのキャスティングが決定した逸話も存在している。そこで森山がオファーを受けた理由について問われると「もう…、武監督と脚本の足立紳さんの『百円の恋』が素晴らしかったので、そのチームが再結集してボクシング映画を作ると聞いて、あの世界観に僕が飛び込めると思うと魅力的だなと思いました」と即答し、監督も「晃のキャスティングは、プロデューサーや足立と脚本を読みながら、森山さんがやってくれたないいなと最初から思っていたキャラクターでした」と述懐。また北村は「20代前半の誰しもがこの挑戦を突きつけられたら、リングを上るしかないだろうと思います。そんな挑戦を僕に送ってくださったので、二つ返事でやりますとお答えさせていただきました。挑戦する自分自身に対しても楽しみでしたし、この素晴らしい監督や共演者の方々に揉まれながらどうなっていくのか楽しみでした」と振り返り、実際の撮影については「正直、撮影は覚悟をしていた以上の大変さではありましたが、後編で描かれる森山さんとの試合シーンは乗り越えた後に何とも言えない達成感があって、いい経験をさせていただいたなと思いました」と手ごたえを明かした。

 勝地は「僕は、武監督と足立さん、そして未來くんと北村くんが出演すると聞いて、“やります!”と。後から“芸人の役なんだ”、“ネタがあるんだ”と知ってプレッシャーが襲ってきました。台本のト書きにも“ネタをやる。面白くない。”としか書いてなくて(笑)」とこぼすと、森山が「(勝地は)面白いから難しいよね」と突っ込み、そこへ勝地が「そう、おもしろいから(笑)」とノッてボケをかまし、会場の笑いを誘った。改めて監督も「メインだけでなく、ワンポイントで出演している方も含めて本当にいい俳優が集結しました。現場で生まれる熱量や、シナリオにもない世界というのが、このメンバーだとどんどん出てきて、試合のシーンは出演者全員が主演と思えるほどの仕上がりになったと思います」と喜びを滲ませた。

 ボクサーを演じるにあたって、撮影前に体作りやトレーニングに励んだ面々。『百円の恋』や『あゝ、荒野』でボクシング指導を務めた松浦慎一郎が本作にも参加し、キャスト陣のトレーナーとして練習をバックアップした。森山は「僕の役柄は元ライト級日本ランク一位なので、ちょっとボクシングをかじっただけじゃごまかしきれないだろうと思いまして、撮影の約一年前からトレーニングを開始しました。ボクシング観る習慣も格闘技をやることもなかったので、パンチを打つことから始めて、殴ったことも殴られたこともないから、その感覚を知りたい一心で練習しました。ダンスパフォーマンスの公演で台湾にいたときも、松浦さんに台湾まできていただいて一緒にスパーリングやっていただきました」、撮影のために約10キロもの減量を行ったという北村は「ウェイトトレーニングをするよりは、ボクシングで体重を落とそうと思ったので、食事軽減やシャドー、縄跳びをして、走って、というトレーニングをやっていたのですが、他の仕事にも結構支障が出てしまうこともあって…そういうものも乗り越えていきました」、勝地は「僕の役はお笑い芸人なので、ボクシングについては素人で無謀な挑戦をするという役。ボクシングの技術を磨くよりは、パンチを受けたり、大振りで外す練習を何度もして、泣きたくなるくらい追い込んで体力をつけていきました。」とそれぞれが役柄によって役作りを変えたり、リアルなボクサーを追求するあまり役作りに没頭していたりといった裏エピソードを明かした。

 そして、チャンピオンになれなかった男たちのドラマが描かれる本作にちなみ、“これなら自分がチャンピオンだ”と周囲に誇れる特技や趣味について問われると、森山は「なにがあるだろう…、映画と関係ないけど、ここにいる人のなかでは、KIRINJIへの愛は自分が間違いなくチャンピオンですね!」と宣言!隣で北村が「僕もKIRINJIが好きなので、僕は2位です」と明かし、ふたりで盛り上がる場面も。続いて北村は「手の大きさは負けたことないです。バスケ部だったときにバスケ雑誌で選手の手形があって、そこで勝ってからずっと負け無しです」と意外な一面をみせた。悩みながら語りだした勝地は「二つあるんだけど…。」と切り込み周りを驚かせると、「馬鹿になることでは誰にも負けないのと、森山未來を愛していることにも誰にも負けない!未來くんのことを10代から見てきたんですが、かっこいいんですよ。初めて会った時から異質だった。個性があって、やりたいことを表現して、世界にも行って、どこまでも遠くに行くなぁ…って。この映画の撮影で、一番嬉しかったのは、森山未來に“勝地良かったね”って言ってもらえたことです!」と告白。森山も照れた様子で笑い、付き合いの長さからくる仲の良さを見せつけた。

 最後に、これから後編の上映を鑑賞する会場の客席に向けて、森山が「本作は今年が明けた冬に撮って、そのあと自粛期間に入ってしまったので、今の時世ともリンクする部分があると思っていて。3人のボクサーの背景は、どうしてこんな人生になってしまったのかわからないけど、地べたを這いずる人生を選ばないといけなかった人たち。もう一度立ち上がらないといけない、そのエネルギーは大変だけど、それでも立ち上がるきっかけを湧かせてくれる、そんな映画になっていると思います。」、北村が「今年は大変な一年となってしまいましたが、そんな年の終わりに、『アンダードッグ』という自分の中できっと何歳になっても思い出すだろうなと思える作品が公開できて嬉しいです。作品に最後まで向き合った自分の生き様もちゃんと映画に映っていると思います。何より、最後2日間かけて試合シーンを撮影した後に、森山さんとふたりで食べたカキフライが美味しくて…。全てを出し尽くした後のあの感動は忘れられないです」と明かすと、森山が「あの店、なくなっちゃったんだよ…」と一言。北村は「えっ、悲しい…!」と驚きを隠せない様子だったが「ならより一層あのカキフライは忘れられない思い出ですね」と感慨深い様子で明かした。

 続けて勝地が「この映画を撮り終わった後、すぐ自粛期間に入ってしまいましたが、僕らの仕事はお客さんがいて成立するものだと改めて思ったし、今日ここで満員のお客さんの前で挨拶をさせていただいて幸せに思います。男性たちの物語に見えますが、ご覧いただいた方ならわかる通り、彼らを支える女性たちの物語でもあると思います。いろんな方に是非広めていただきたいです」(勝地)、「3人がスクリーンの中で演じていることは簡単なことではありません。この3人は本当に有難い3人です。今年公開できて、ここで舞台挨拶ができていることに、映画に携わってくださった関係者の皆さん、お客さんにも感謝したいです。映画っていうのはお客様が完成させてくれるものだと思いますが、映画で描かれる最後の試合も、後楽園にいた人、見てくれている人が、その名勝負を作ってくれたと思っている。その様を、体感していただきたいと思います。」(監督)を本作に込めた並々ならぬ想いを語った。森山と死闘を繰り広げた北村と勝地から、とっておきの森山エピソードが飛び出し、過酷な撮影を経て出来上がった3人の絆が垣間見えた舞台挨拶イベントは大盛況の中、幕を閉じた。

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