「五感で楽しめる」県立美術館 2015年4月24日(金)、「日本一のおんせん県」を名乗る九州・大分に大分県立美術館(OPAM)が開館します。長崎県美術館(2005年)、青森県立美術館(2006年)以来、9年ぶりに新設される県立美術館です。
単に作品鑑賞の場というだけでなく、美術館・博物館が担っている役割は、生涯学習センター、ワークショップなど多岐にわたっています。とりわけ近年、地域社会との連携を深める場として注目を集めています。ミュージアム併設のカフェやレストランで開催されているコンサートやトークショーといったイベントに参加された方も多いのではないでしょうか。中には結婚式を挙げられるミュージアム・レストランまであります。
緑豊かな東京都立砧公園の一角に位置する世田谷美術館のレストランLe JARDIN(ル・ジャルダン)は、手ごろな価格で本格的なフレンチのコース料理が楽しめることで人気です。建築家・内井昭蔵が砧公園の自然美を損なうことないように設計しただけあり、四季折々の景観と共に総料理長・村松茂シェフの手掛けるコース料理を堪能出来ます。土日ともなるとランチタイムには並んで待つ人もいる人気店です。美術館から長い回廊を渡った先にあるため、一軒家的な独立したレストランとして機能しているのも他にはない特徴です。
ウェディング会場選びの大きなポイントのひとつとしてお料理が美味しいことは欠くことの出来ない大事な点です。ル・ジャルダンが結婚式場(披露宴会場)としても利用される理由も、一度お食事すればすぐに分かるはずです。
しかし、現在では春・秋の結婚式シーズンの土日は全て予約で埋まってしまうほどの人気を誇るル・ジャルダンも、1986年にオープンした当時はウェディング会場として利用されることは想定していませんでした。レストラン・ウェディングを最初に行ったのは、開店から5年ほど経過したころ、それもお店からの提案ではなく、お客様から「このレストランで式を挙げたい!」との要望からだったそうです。
そのような声が自然と出て来るだけでもル・ジャルダンの魅力を語るには十分ではないでしょうか。美味しいお料理、スタッフのおもてなしの心、そして何より都心でこれだけ緑豊富な自然美の中で式を挙げられる利点。自分もこんな素敵な場所で式を挙げたかったとうらやましくなってしまいました。
■レストランLe JARDIN(ル・ジャルダン)
http://www.setagaya.co.jp/le_jardin/
砧公園内にある世田谷美術館には、分館があるのをご存じでしょうか。向井潤吉アトリエ館(東京都世田谷区弦巻2-5-1)、清川泰次記念ギャラリー(東京都世田谷区成城2-22-17)、宮本三郎記念美術館(東京都世田谷区奥沢5-38-13)と、それぞれ作家の名を冠した三つの分館があり各館趣向をこらした独自の展覧会を開催しています。住所がバラバラなのは、作家のアトリエのあった場所に建っているからです。「世田谷美術館友の会」に入会すると世田谷美術館だけでなく分館全てがいつでも無料で鑑賞出来ます。世田谷文学館を含めた情報満載の「せたがやアーツナビ」のサイトも要チェックです。 |
世田谷美術館
〒157-0075
東京都世田谷区砧公園1-2
開館時間:10時~18時
(入館は17時30分まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
電話:03-3415-6011
URL:http://www.setagayaartmuseum.or.jp/
【筆者プロフィール】
中村剛士(なかむら・たけし)
Tak(タケ)の愛称でブログ「青い日記帳」を執筆。展覧会レビューをはじめ、幅広いアート情報を毎日発信する有名美術ブロガー。単行本『フェルメールへの招待』(朝日新聞出版)の編集・執筆なども。
http://bluediary2.jugem.jp/