「五感で楽しめる」県立美術館 2015年4月24日(金)、「日本一のおんせん県」を名乗る九州・大分に大分県立美術館(OPAM)が開館します。長崎県美術館(2005年)、青森県立美術館(2006年)以来、9年ぶりに新設される県立美術館です。
いまやほとんどの美術館・博物館にレストランが併設されていますが、どこもそれぞれ特徴を打ち出し、鑑賞後の空腹を満たすだけでなく、プラスアルファの魅力で他館との差別化をはかっています。
今回、ご紹介する上野にある国立科学博物館レストラン「ムーセイオン」も、ほかでは決してまねできない科学博物館ならではの際立った特徴があります。何と地球館中2階に位置する「ムーセイオン」から地球館1階の「地球の多様な生き物たち」の展示室を大きなガラス越しに目の当たりにできるのです。
展示室では天井からつり下げられ展示されているため、下から見上げて観る巨大な体長15メートルもあるマッコウクジラの骨格も、中2階にある「ムーセイオン」からは、目線と同じ高さです(展示室では味わえない“上から目線”で観られます!)。想像力を膨らませ、マッコウクジラと深い海の底を遊泳しながら食事を楽しむ…なんて夢のような体験を楽しめるのです。
また「上野の博物館」ならではのユニークなメニューも数多く用意されています。一日限定30食の「パンダプレート」や「パンダパフェ」といった“ご当地キャラ”扱いのパンダをフィーチャーしたものから、「恐竜の足型ハンバーグ」「恐竜の巣ごもりプレート」「ティラノサウルス足型ピザプレート」といったユニークなものまで(もちろん、一般的なメニューもあります)。
これだけ魅力たっぷりのレストランでありながら、その存在はあまり知られていないようです。その大きな原因は場所にあります。日本館の入り口から最も遠くにあるレストランなのです。しかも入り口近くには昔ながらの気軽に立ち寄れる飲食可能な無料休憩スペースがあります。
「ムーセイオン」は、こうして期せずして「隠れ家的レストラン」となってしまったのです。次回、科学博物館へ行かれる際は、まず一番奥にある「ムーセイオン」で展示室を見ながら腹ごしらえをするのも良いかもしれませんね。
優れものICカード |
レストラン「ムーセイオン」
席数:170席
場所:国立科学博物館 地球館中2階
営業時間:10:00~17:00(金曜日のみ ~20:00)
※夏期、ゴールデンウイークなど営業時間を延長する場合があります。
(ランチタイム 11:00~、ラストオーダー 閉館の30分前)
TEL:03-3827-2080
国立科学博物館
〒110-8718
東京都台東区上野公園7-20
開館時間:9:00 ~17:00 金曜日のみ9:00 ~20:00 (入館は閉館の30分前まで)
・特別展等の場合は延長することがあります。
・夏季およびゴールデンウイーク期間中は延長することがあります。
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)、年末年始(12月28日~1月1日)、臨時休館:平成26年6月24日~27日
電話:03-5777-8600
URL:https://www.kahaku.go.jp/
【筆者プロフィール】
中村剛士(なかむら・たけし)
Tak(タケ)の愛称でブログ「青い日記帳」を執筆。展覧会レビューをはじめ、幅広いアート情報を毎日発信する有名美術ブロガー。単行本『フェルメールへの招待』(朝日新聞出版)の編集・執筆なども。
http://bluediary2.jugem.jp/