「五感で楽しめる」県立美術館 2015年4月24日(金)、「日本一のおんせん県」を名乗る九州・大分に大分県立美術館(OPAM)が開館します。長崎県美術館(2005年)、青森県立美術館(2006年)以来、9年ぶりに新設される県立美術館です。
年明け早々突然ですが「ピーセン」ってご存じですか。サクサクの歯ごたえが病みつきになる揚げ菓子としてかつて東京土産として一世を風靡(ふうび)しました。一袋軽くぺろりと食べられちゃうピーセン。お土産にもらうとうれしかったものです。
販売元であった銀座江戸一は残念ながらのれんをおろしてしまいましたが、榮太樓總本鋪がレシピを受け継ぎ現在も「老舗の味」として販売しています。江戸東京博物館のミュージアムショップでは、江戸博限定のパッケージのピーセン他、日本橋の老舗コラボピーセン(にんべん、かつお節ピーセン他)も扱っており、江戸博に行く楽しみのひとつとなっています。
ピーセンの他にも懐かしのお菓子や遊び道具から、吉井本家謹製「火打石セット」などと言った他のミュージアムショップではお目にかかれないような江戸文化を今に伝える懐かしいグッズに出合えます。
ショップだけで江戸の雰囲気を味わうだけではもったいないので展覧会会場へも足を運んでみましょう。ちょうど今、国際浮世絵学会創立50周年記念 江戸東京博物館開館20周年記念 特別展「大浮世絵展」を1階特別展示室で大々的に開催中です。日本国内のみならず海外からで保存されてきた保存状態の良好な浮世絵が一堂に会しています。浮世絵ファンはもちろん、これまであまり興味・関心が無かった方にもお勧めの展覧会です。(コクヨやフェリシモとのコラボグッズも話題となっています。)
歌川広重の代表作、保永堂版「東海道五拾三次」を一挙に紹介する、特集展示「東海道五拾三次―江戸の旅事情 お伊勢参りと物見遊山―」も開催しています。こちらは浮世絵のみならず、江戸時代の旅の様子を紹介する資料も合わせての展示となっています。有名な箱根の関所の通行手形や、当時の旅道具も紹介されています。
またあまり知られていないことですが、歌川広重自身の遺品や遺言状も江戸東京博物館が所蔵しています。これらと広重(安藤徳太郎)が10歳の時に描いたとされる「三保松原図」も江戸博では初公開しています。
新しい年の初めに、豊かな江戸文化の世界を存分に楽しむのも乙なものですよね。
■江戸東京博物館
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
■榮太樓總本鋪
http://www.eitaro.com/
江戸東京博物館の住所は東京都墨田区横網1-4-1。すぐ隣に両国国技館があるため「横綱(よこづな)」と思いきや「横網(よこあみ)」、なんとも紛らわしい地名です。さて両国国技館には相撲博物館があります。入館は無料で年に6回の企画展示を行っています(現在は「富士山と大相撲」を2月14日まで開催中)。またすぐ近くにはNTTドコモ歴史展示スクエアもあります。こちらも入館無料で、これまでドコモが扱ってきた携帯電話、ポケットベルなどの実機がずらり展示されています。 ■相撲博物館 |
江戸東京博物館
〒130-0015
東京都墨田区横網1-4-1
開館時間:午前9時30分~午後5時30分
(土曜日は午前9時30分~午後7時30分)
入館は午後5時まで。(土曜日は午後7時まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
電話:03-3626-9974(代表)
URL:http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
【筆者プロフィール】
中村剛士(なかむら・たけし)
Tak(タケ)の愛称でブログ「青い日記帳」を執筆。展覧会レビューをはじめ、幅広いアート情報を毎日発信する有名美術ブロガー。単行本『フェルメールへの招待』(朝日新聞出版)の編集・執筆なども。
http://bluediary2.jugem.jp/