「五感で楽しめる」県立美術館 2015年4月24日(金)、「日本一のおんせん県」を名乗る九州・大分に大分県立美術館(OPAM)が開館します。長崎県美術館(2005年)、青森県立美術館(2006年)以来、9年ぶりに新設される県立美術館です。
全国で増え続けるゆるキャラの快進撃がとどまるところを知りません。最近では、都道府県や企業だけでなく、美術館・博物館も独自のキャラクターを作っています。
さて、2012年に140周年を迎えた東京国立博物館にもゆるキャラがいます。その名も「トーハクくん」。古墳時代(6世紀)の埴輪(はにわ)がモチーフになっている愛らしいキャラクターです(埴輪そのものがそもそもゆるキャラの要素持っているので違和感全くありません)。
愛敬のあるトーハクくんですが、当初から埴輪をキャラクターにすると決まっていたわけではなく、コンペで選ばれたのだそうです。その時の最大のライバルは「見返り美人」(浮世絵)。考えてみると、わが国最大の博物館である東京国立博物館にはまだまだ強敵が沢山いますよね。
また担当研究員(学芸員)の本物へのこだわりもあり、モデルとなった「埴輪 踊る人々」(埼玉県熊谷市野原字宮脇 野原古墳出土)を忠実に?!キャラクター化しています。本物は平成館考古展示室で会えるので、東京国立博物館へ行かれる際はその再現性の高さをチェックしてみてはいかがでしょうか。
単に愛敬を振りまいているだけでなく、「トーハクくん」には大切な役目があります。それは、難しく堅苦しくなりがちな疑問や質問を「トーハクくん」を介することで、親しみやすく解説できることです。館内でも配布している広報誌『東京国立博物館ニュース』でも大活躍。例えば「どうやって新しい作品を手に入れるの?」「寄付金は何に使われているの?」「作品はどうやってしまってあるの?」「館長ってどんな仕事をしているの?」などの博物館の活動の疑問に茶目っ気たっぷりに答えています。
その他「クッキーが好き」「『ほー!』と言っている」「唯一の先輩は土偶」「特技はダンス」「本名は『東博』と書いて『あずまひろし』」などネタはつきないトーハク君。そのうちに着ぐるみが館内を散歩している姿も見られる日も来るかもしれません。
■「東京国立博物館ニュース」
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■「1089ブログ」
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展示の一押しやバックヤードの出来事など博物館スタッフによるブログ。
トーハクくんが登場する回もあります。
相棒は「ユリノキちゃん」 東京国立博物館140周年を記念し誕生した「トーハクくん」には「ユリノキちゃん」という相棒がいます。こちらはお利口な頼れるお姉さんキャラです。東博の本館前に泰然自若とたっている大きな百合の木 (ゆりのき)から生まれた「ユリノキちゃん」は博物館の歴史から展示品まで何でも知っている優等生。近い将来「美・博ゆるキャラサミット」などが開催された暁にはきっと司会進行役を務めそうですね。ちなみに怒ると結構こわいのですが、トーハクくんはそんなユリノキちゃんをからかって遊んでいるようです。 |
東京国立博物館
〒110-8712
東京都台東区上野公園13-9
開館時間:午前9時半から午後5時
9月までの土日祝休は午後6時まで
特別展開催期間中の金曜は午後8時まで
入館は閉館の30分前まで
休館日:毎週月曜日(祝休は開館、翌火曜は休館)
ハローダイヤル:(03)5777-8600
URL:http://www.tnm.jp/
料金:一般600円、大学生400円 ※特別展は別料金
【筆者プロフィール】
中村剛士(なかむら・たけし)
Tak(タケ)の愛称でブログ「青い日記帳」を執筆。展覧会レビューをはじめ、幅広いアート情報を毎日発信する有名美術ブロガー。単行本『フェルメールへの招待』(朝日新聞出版)の編集・執筆なども。
http://bluediary2.jugem.jp/