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オトコの別腹

伊藤潤二さん
「満天星(どうだん)一休」の森の水鏡

「満天星(どうだん)一休」の森の水鏡
「満天星(どうだん)一休」の森の水鏡
「満天星(どうだん)一休」の森の水鏡 伊藤潤二さん

 ホラー漫画作りもストーリーが大事。アイデアが降りてくるまで考え続けるのですが、そんな時には甘いものが欠かせません。和菓子にコーヒーを合わせることもありますよ。中でもお気に入りは、この「森の水鏡」。甘さ控えめの弾力のあるくずもちで、素朴な栗のおいしさが味わえるきんとんを包んでいます。封を開けると、添えられた栗の葉が爽やかに香ります。

 故郷の岐阜県中津川市は山に囲まれた自然豊かな場所。蒸した栗をつぶして作る独特な「栗きんとん」が名物です。小学生の頃に中津川の栗で母親と栗きんとんを作りました。砂糖の調整は私で、おいしく出来た。森の水鏡を食べる度に当時の楽しかった記憶がよみがえります。

 大切な方への贈り物の定番にもなっています。昨年は怪談つながりでお世話になっている稲川淳二さんにお贈りしました。

 

◆岐阜県中津川市苗木2531の1(TEL0573・65・0193)。
 200円。
 午前8時半~午後7時半。
 オンラインショップでも購入可(送料別)。


 いとう・じゅんじ ホラー漫画家。
 「富江」シリーズが代表作。「伊藤潤二自選傑作集」(朝日コミックス)が発売中。

(2016年3月15日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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