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オトコの別腹

横尾忠則さん
「成城風月堂 喫茶室」の白玉ぜんざい

「成城風月堂 喫茶室」の白玉ぜんざい
「成城風月堂 喫茶室」の白玉ぜんざい
「成城風月堂 喫茶室」の白玉ぜんざい 横尾忠則さん 写真・松元絵里子

 僕の「ぜんざい歴」は長い。今79歳だから、77年くらいになります。戦時中の子どものころも結婚してからも、もう何千杯食べたか。あまりに好きだから、瀬戸内寂聴さんの家に僕が行くと、黙っていてもぜんざいが出てくるくらい。

 このお店はいつも山田洋次さんと一緒に行くの。女性客ばかりの中、男2人でぜんざい。つぶあんが好きなので、小豆がたくさん入っているのがうれしいね。

 ひざのはり治療で京都に行ったときのこと。どうしても伏見稲荷の山頂の茶店のぜんざいが食べたくなった。かみさんにやめなさいとズボンを引っ張られながらも痛い足で山を登って食べたんです。帰りに道に迷って、お地蔵さんと出会った。夜、ふと思いついてそこのおみくじで足をなでて寝たら翌朝痛みがない。治療はキャンセルしました。ぜんざいのお導きでしょ。僕は、頭に浮かんだことをやめるわけにはいかない性格なんです。

 

◆東京都世田谷区成城6の10の8、成城学園前駅前本店2階(TEL03・3482・0551)。
 冷やし白玉ぜんざい820円。
 午前8時半~午後8時。


 よこお・ただのり 美術家。
 8月8日~11月23日、神戸の横尾忠則現代美術館で「横尾忠則 続・Y字路」展を開催。

(2015年7月28日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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