読んでたのしい、当たってうれしい。

今月の人

染谷将太

林業を描くコメディー映画
すがすがしさに満ちた青春

染谷将太
染谷将太 ©2014「WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜」製作委員会

 三浦しをんの小説を映画化した「WOOD JOB(ウッジョブ)!神去(かむさり)なあなあ日常」(矢口史靖監督)で、主人公・平野勇気を演じる。

 舞台は携帯も通じない山奥の神去村。18歳の主人公は、ひょんなことからここで1年間「林業」の研修に参加することになる。ユニークな村人に囲まれ、都会育ちの少年が少しずつ成長していく姿を、笑いあり涙ありで描くコメディー作品だ。

 今、最も出演依頼が多いといわれる若手俳優の一人。映画「ウォーターボーイズ」などで知られる矢口監督の作品には、今回が初出演となる。「矢口さんの映画だから、おもしろくなるのは間違いない」と思った。三重県でのロケでは、30メートル近い木に登るなど、林業の場面は全て俳優自身が行った。木を伐採する場面は特に緊張し、芝居ではない素の顔になっていたそうだ。極力CGを使わないこだわりなど、監督の妥協しない姿に驚いたという。

 「ここまですがすがしい青春をする役は初めてかもしれないですね」。画面には緑や土のにおいがあふれる。時間をかけて木々を手入れする林業の世界に触れ、木が生きものであると肌で感じた。自身の新鮮な驚きは、主人公の体験と重なり、しっかりとスクリーンに残された。それは今作を「あまり見たことがない自分が見られてうれしかった」との言葉にも表れる。

 現地で接した林業家たちも印象的だった。「皆さん本当に山が好きで、木のことを愛していて。好きで誇りを持ってやっている」。仕事への姿勢に自分と通じるものを感じたという。

取材・文/小寺美保子
 撮影/篠塚ようこ


プロフィール

そめたに・しょうた
1992年東京都生まれ。映画「ヒミズ」で第68回ベネチア国際映画祭の新人賞を日本人で初受賞。他に「悪の教典」など。12月には「寄生獣」の公開が控える。

 


染谷将太さんサイン入りポラロイド写真プレゼント!


染谷将太さんサイン入りポラロイド写真染谷将太さんのサイン入りポラロイド写真を2人にプレゼントします。応募には朝日マリオン・コムの会員登録が必要です。以下の応募ページから会員登録を行って、ご応募ください。

【応募締切 5月29日16時】

終了しました

たくさんのご応募ありがとうございました。
(2014年5月13日、マリオン・ライフ、マリオン・プレゼント掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

今月の人の新着記事

  • 大沢たかお 「風に立つライオン」(三池崇史監督)で、日本に残した恋人への思いを胸に、ケニアで医療に従事する医師・航一郎を演じた。

  • 高良健吾 天童荒太が「人が生きた愛と感謝の時間をたたえてほしい」と願い、書き上げた直木賞小説「悼む人」。映画化にあたり堤幸彦監督から、主人公・坂築静人の持つ独特の存在感と孤独な瞳を体現できるとばってきされた。

  • 中村七之助 2014年3月、東京・歌舞伎座のこけら落とし公演で坂東玉三郎と演じた「二人藤娘」が、兄・勘九郎出演の「日本振袖始 大蛇退治」と共に、全国31都道府県の47の映画館で「シネマ歌舞伎」としてよみがえる。

  • 東出昌大 「アオハライド」は、作者の咲坂伊緒(さきさかいお)が「青春(アオハル)」と「ride(乗る)」を組み合わせて創作した言葉だ。約800万部の発行部数を誇るこの少女漫画の主人公を、本田翼と共に演じた。

新着コラム