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今月の人

生田斗真

三池×宮藤の最強タッグ
面白すぎてプレッシャーも

©2014フジテレビジョン、小学館、ジェイ・ストーム、東宝、OLM ©高橋のぼる、小学館
©2014フジテレビジョン、小学館、ジェイ・ストーム、東宝、OLM ©高橋のぼる、小学館

 この役を生田斗真が!?——。笑いあり、お色気あり、過激なアクション満載のコメディー。冒頭からほぼ全裸で登場する役は、ジャニーズ事務所でも前代未聞ではないだろうか。

 週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)連載中の人気漫画が原作。生田演じる玲二は、バカでスケベだが正義感だけは誰にも負けない交番巡査。警察を表向き「クビ」となり、ヤクザの数寄矢(すきや)会に「モグラ」として潜入捜査を命じられる。そこの若頭に気に入られ、敵組織との抗争でも活躍。モグラとしての任務を果たせるのか……!?

 二枚目俳優のイメージとは真逆の役に、抵抗はなかったという。「三池監督と宮藤さんなのでスッゴイ作品ができると信じていました」。宮藤の台本は文字で読んでも吹き出すほど面白く、それがかえってプレッシャーに。「自分がセリフとして言った時、このおかしさを表現できるのかなって。でも三池監督が見事に具現化していて、素晴らしいコンビだなと思いました」

 宙吊りになったり、全裸で洗車機にかけられたりと、体当たり演技の連続。夜通しのロケや8時間に及ぶ刺青(いれずみ)メークなど、スタッフ、役者ともに全力で臨んだ。寝る時間もないほどハードだったが、「毎日楽しかった」と爽やかな表情を見せるのは、完成後の手応えが大きい証しだろう。

 「最初は偽物のヤクザだった玲二が、悪の存在と対峙(たいじ)して内面から本物になっていく。意外と人生ってそんなもんじゃないかな。本気でやっていればいつか本物になれるって、鼓舞してくれるような映画ですね」

取材・文/松崎聖子
撮影/田村充


プロフィール

いくた・とうま
1984年、北海道生まれ。映画「源氏物語 千年の謎」「脳男」などで主演し、実力派俳優として実績を重ねる。公開中の映画「土竜(モグラ)の唄 潜入捜査官REIJI」(三池崇史監督、宮藤官九郎脚本)に出演。

(2014年2月12日、マリオン・ライフ、マリオン・プレゼント掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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